しかし、中学生に満たない世代にとっては生まれる前のことで、高校生でも小さすぎてあまり当時の記憶はなく、事実を知ってはいてもリアリティを持って受け止められないかもしれません。そこで、こういうタイミングで子どもたちが東日本大震災を深く知り、考える機会を作ってみてはどうでしょうか。
今では多くの書籍や映像作品があります。たとえば『一陽来復』というドキュメンタリー映画は震災から6年後の岩手・宮城・福島で、悲しみや葛藤を抱えながらも少しずつ前へ進もうとしている人たちの姿を伝えています。
『漫画で描き残す東日本大震災 ストーリー311』は、被災地で起きた多くの悲しい出来事や、避難生活の中で生まれた家族や地域とのつながり、被災を乗り越えて成長していく若者の姿、ボランティアと地元住民とのふれあいなど、現地で生まれたストーリーを漫画家たちが自ら取材して後世に伝えようとした作品集。漫画なら子どもも入りやすいかもしれません。デジタル版もあります。
数えきれないぐらいあった悲しい出来事。しかし、それを乗り越えて生きていこうとしている人々。子どもたちが学びを得ることがたくさんあるかもしれません。
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