恐竜好きの人はもちろん、恐竜好きじゃなくても「ティラノサウルス」はご存知でしょう。最大全長13メートル、体重9トン、二足歩行する中では最大級の肉食恐竜。7,000万年前から6,600万年ぐらい前の北アメリカ大陸に生息していました。
今回の主役は、ティラノサウルスではなく、ティラノサウルス科に属する最大8から9メートル、体重2.5トンほどの「ゴルゴサウルス」です。このゴルゴサウルスがきっかけとなり、“肉食恐竜の子どもが何を食べていたのか明らかになった”と「ナショナルジオグラフィック」が伝えています。
肉食恐竜は成長すれば、強靭な顎と歯の力で何でも噛みちぎることはできますが、噛む力の弱い子どもが何を食べていたかは長年の謎だったのです。今回、調査・研究されたのは2009年にカナダで発見された若いゴルゴサウルス。
発見された翌年、ゴルゴサウルスの肋骨の間から突き出した骨が見つかります。それは「シチペス」という、頭がオウムに似た恐竜の子どもの足の小さな骨でした。さらに胃には2頭分の後ろ足がありました。それは、鶏肉で言えば腿やドラムスティックに当たる部位。このことから研究チームは、子どものゴルゴサウルスが肉厚で筋肉がたっぷりある部分を選び、丸呑みして食べていたと推測しています。また、子どもと大人は食べるものが異なることもわかり、長期の子育てをしなかった可能性も明らかになったとしています。
最近では多くの恐竜には実は羽毛があったという説が主流となり、鳥は恐竜の子孫ではなく、恐竜そのものだと考えられるようになりました。技術は進化し、研究が進むと、いろんなことがわかってくるので、未来が楽しみですね。
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