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第15回 小学生の研究 アメリカ学術誌に掲載

7.10(土)O.A.(第15回)
小学生の研究 アメリカ学術誌に掲載

子どもの好奇心と探究心は、時に驚くべき結果を生みます。
今年春、そのことに気づかされるニュースがありました。
主人公は埼玉県在住の小学6年生 柴田亮くん。

「カブトムシは夜行性」というこれまでの常識に一石を投じる研究結果が、アメリカの生態学専門誌「Ecology」に掲載されました。
もちろん論文は英語、さらに学術専門誌。
昆虫生態学が専門の山口大学大学院 講師 小島渉さんが力を貸しました。

きっかけは2年前。
柴田くんは庭の「シマトネリコ」という木に、夜光性のカブトムシが日中も現れることを不思議に思い、観察をスタート。
2019年と2020年の夏、1日数回、やってくるカブトムシを数え、番号をつけて識別し、時間帯ごとの活動をまとめていきました。
その結果、やってくるピークは深夜でしたが、日中に活動する個体もいたのです。

大人で専門家の小島さんが多くをやったわけではありません。
「アドバイスと翻訳をした程度。ほとんどが柴田さん主体の研究で完成度はかなり高い」そう小島さんは、言っています。

「シマトネリコ」は、もともと沖縄・台湾・フィリピンなどに育つ木。
台湾のカブトムシはシマトネリコでも活動は夜に限られるそうで、日本のカブトムシは、これまで利用しなかったシマトネリコに出会うことで、本来の活動パターンが変化したと考えられるそうです。
小島さんは「ほぼ毎日、個体数や活動を粘り強く調べた成果」と、柴田くんのことを称賛しています。

子どもには、無限の可能性があります。
親が「そんなことをやっても・・・」と思うことに夢中になったとしても、子どもの向き合い方が本気なら、全力でサポートする気持ちが必要なのかもしれません。

もうすぐ夏休み。
子どもたちは、どんな自由研究をするのでしょう。

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