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ハイブリッド車にかかる自動車税とは?安くなる税金の種類を解説

ハイブリッド車にかかる自動車税とは?安くなる税金の種類を解説

車の購入や乗り替えを検討している際に、ハイブリッド車を乗り替え候補にしている方は多いと思います。ハイブリッド車とガソリン車における税制優遇の違いなど、維持費にかかわる具体的なメリットを知りたいと考える方も少なくないでしょう。

この記事では、ハイブリッド車の特徴や税制優遇措置についてわかりやすく解説します。ハイブリッド車のメリット・デメリットもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

環境性能に優れたハイブリッド車

ハイブリッド車は一般的に、ガソリンエンジンと電気モーターの両方を搭載し、効率的な燃料消費と低排出ガスを実現している車のことをいいます。
ハイブリッド車が燃費性能の面で優れているのは、常にガソリンエンジンで走行する必要がないからです。たとえば、低速で走行しているときには電気モーターの動力を使い、燃料消費の効率が良い速度に達した際にはガソリンエンジンに自動で切り替えるしくみになっています。

通常、ガソリン車は低速走行が長く続くほど、燃料消費の効率が悪くなりがちです。こうしたガソリンエンジン特有の弱点を電気モーターが補うことにより、効率的な燃料消費と低排出ガスを実現しています。

ハイブリッド車は税金が安くなる

ガソリン車やディーゼル車のように化石燃料を動力として利用する車は、エンジンが作動しているあいだに排ガスを出します。排ガスには一酸化炭素や窒素化合物、粒子状物質、二酸化炭素といった化学物質が含まれており、酸性雨や地球温暖化、光化学スモッグの原因の一端になっていると指摘されています。

こうした環境への影響が懸念されていることから、大気汚染物質の排出量が少ない低公害車への乗り替えは、国際的にも重要な課題の1つです。このため、政府はガソリン車よりも低排出のハイブリッド車を税制優遇の対象としています。

ハイブリッド車は自動車税と軽自動車税の種別割が減額される

ハイブリッド車は、自動車税(種別割)もしくは軽自動車税(種別割)が減額されます。自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)とは、総排気量に応じて課税される地方税の一種で、毎年4月1日時点で車を所有している方(車検証に記載されている所有者)に対して、納税義務が課されます。
ここでは、ハイブリッド車における自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の税制優遇措置について、詳しく見ていきましょう。

ハイブリッド車を含むエコカーは13年経過による重課の適用外

通常、自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)は、新車登録から13年経過すると、税金が高くなる重課が適用されます。また、軽油を燃料とするディーゼル車の場合、新車登録から11年経過した時点で重課されます。
一方、ハイブリッド車を含むエコカーに関しては、重課の対象になりません。重課が適用されない普通車と軽自動車のエコカーは、下記のとおりです。

<重課適用外の主な普通車>

  • 電気自動車
  • 燃料電池自動車
  • 天然ガス自動車
  • メタノール自動車
  • ガソリンプラグインハイブリッド自動車
  • ガソリンハイブリッド自動車

<重課適用外の主な軽自動車>

  • 電気自動車
  • 燃料電池自動車
  • 天然ガス自動車
  • メタノール自動車
  • ガソリンハイブリッド自動車

プラグインハイブリッド自動車はグリーン化特例が適用される

2023年4月1日から2026年3月31日に新車登録された車のうち、環境性能が高い車には「グリーン化特例」が適用されます。グリーン化特例とは、環境負荷が低い車の自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の税額を軽減する特例のことです。

自家用乗用車におけるグリーン化特例の対象は、ハイブリッド車のうち、ガソリンと電気の両方を併用して走行でき、外部からの充電も可能なプラグインハイブリッド自動車です。
具体的には、プラグインハイブリッド自動車の普通車の場合、自動車税(種別割)がおおむね75%減となります。ただし、グリーン化特例が適用されるのは、新車登録の翌年のみです。なお、軽自動車については、電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車のみ軽自動車税(種別割)がおおむね75%軽減されます。

ハイブリッド車は自動車税と軽自動車税の環境性能割の優遇も受けられる

ハイブリッド車は自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の税制優遇措置が適用されるだけでなく、自動車税(環境性能割)・軽自動車税(環境性能割)についても優遇を受けられます。
自動車税(環境性能割)・軽自動車税(環境性能割)とは、車両の燃費性能などに応じて新車購入時に課される税金のこと。購入する車両が低燃費車に該当する場合、税金の軽減措置を受けられます。

具体的には、プラグインハイブリッド自動車については、新車登録をする際に自動車税(環境性能割)が非課税となります。また、ハイブリッド車を含むガソリン車・LPG車に関しても、2030年度燃費基準に対する達成率に応じて、自動車税(環境性能割)・軽自動車税(環境性能割)が減税または非課税になります。
ここでは、環境性能割の税率のしくみについて、詳しく見ていきましょう。

燃費性能や排ガス性能で異なる環境性能割の税率

自動車税(環境性能割)・軽自動車税(環境性能割)の優遇は、2023年4月1日から2026年3月31日に新車登録された車両が対象です。登録日の適用期間や燃費性能、排ガス性能によって、適用される税率は異なります。
普通車と軽自動車における環境性能割の税率は、下記のとおりです。

普通車・軽自動車の環境性能割の税率

車の登録日 燃費性能(2030年度燃費基準に対する達成率) 普通車の税率 軽自動車の税率
2023年4月1日
〜12月31日
85%達成 非課税 非課税
75%達成 1%
65%達成 2% 1%
60%達成
上記以外 3% 2%
2024年1月1日
〜2025年3月31日
85%達成 非課税 非課税
80%達成 1%
70%達成 2% 1%
上記以外 3% 2%
2025年4月1日
〜2026年3月31日
95%達成 非課税 非課税
85%達成 1%
80%達成 2%
75%達成 1%
上記以外 3% 2%

*「環境性能割の概要」(環境省)
(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001597291.pdf)を加工して作成。

*対象は2005年排出ガス規制75%低減または2018年排出ガス規制50%低減を実現したガソリン車・LPG車(ハイブリッド車含む、ただしLPG車は普通車のみ)および2020年度燃費基準達成車両。

*プラグインハイブリッド自動車は非課税(普通車のみ)。

エコカーに関する補助金や税制優遇については、下記のページをご覧ください。

電気自動車・ガソリン車・ハイブリッドカーの違いとは?補助金や税制優遇についても解説!

ハイブリッド車はエコカー減税で自動車重量税の負担が軽減

ハイブリッド車は「エコカー減税」の対象にもなるため、自動車重量税の負担が軽減されます。自動車重量税とは、車両の重さに基づいて課される税金です。車両が重いほど道路に負担がかかるため、車両重量に応じて税額が高くなるしくみになっています。
普通車は車両の重さが0.5t増加するごとに税額が高くなりますが、軽自動車の税額は一定額です。自動車重量税は、新車登録時(軽自動車の場合は新規検査時)に3年分、以降は車検を迎えるごとに2年分をまとめて納税します。
ここでは、ハイブリッド車におけるエコカー減税の概要を解説します。

エコカー減税の適用で、自動車重量税が最大100%減税

エコカー減税とは、国が定めた基準を下回る低排出車両を対象に、自動車重量税を免税または減税する制度のことです。原則、適用期間中に新車登録を行った場合に限り、免税・減税措置が1回限り適用されます。

プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池車、天然ガス自動車といった低排出の車両には、免税が適用されます。また、ハイブリッド車を含むガソリン車、LPG車の場合、燃費性能や排ガス性能の基準を満たせば免税または減税措置が適用されます。エコカー減税は新車だけでなく、中古車にも適用されます。

自家用乗用車に適用されるエコカー減税の税率は、適用期間、燃費性能などによって異なります。税率は下記のとおりです。

自家用乗用車におけるエコカー減税の税率(適用期間:2023年5月1日〜2026年4月30日)

車の登録日 燃費性能(2030年度燃費基準に対する達成度) 税率
2023年5月1日
〜2023年12月31日
120%達成 免税
(2回目車検時も免税)
90%達成 免税
75%達成 50%軽減
60%達成 25%軽減
2024年1月1日
〜2025年4月30日
120%達成 免税
(2回目車検時も免税)
90%達成 免税
80%達成 50%軽減
70%達成 25%軽減
2025年5月1日
〜2026年4月30日
125%達成 免税
(2回目車検時も免税)
100%達成 免税
90%達成 50%減税
80%達成 25%減税
75%達成 減税なし・本則税率

*「エコカー減税 (自動車重量税) の概要」(国土交通省)
(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001597289.pdf)を加工して作成。

*対象は2018年排出ガス規制50%低減を実現したガソリン車・LPG車(ハイブリッド車含む)、2018年排出ガス規制適合のグリーンディーゼル車(ハイブリッド車含む)、2020年度燃費基準達成車両。

*プラグインハイブリッド自動車は、新車登録時と2回目車検時が免税。

ハイブリッド車にかかる税金と優遇制度の有無

ハイブリッド車にかかる税金と優遇制度の有無

*「環境性能割の概要」(環境省)
(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001597291.pdf)を参考にして作成。

*「エコカー減税 (自動車重量税) の概要」(国土交通省)
(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001597289.pdf)を参考にして作成。

ハイブリッド車のメリット

ハイブリッド車には、多くの税制優遇制度が設けられています。また、税金面以外にもハイブリッド車には多くのメリットがあります。主なメリットは下記の3点です。

燃費が良い

ハイブリッド車は、電気モーターとガソリンエンジンを併用して走行するため、一般的なガソリン車よりも燃費が良いという特徴があります。同じ距離を走行した場合、ハイブリッド車のほうがガソリン車よりも燃料の消費量は少なくなります。その分だけ給油の頻度が下げられるため、維持費を抑えられる点がメリットです。

ガソリン車に乗り続ける限り、燃料費がかかるのは避けられません。特に近年は燃料費が高騰していることもあり、ガソリン代が家計に与える影響は決して少なくないと考えられます。ハイブリッド車に乗ることで毎月の燃料費を抑えられることは、長い目で見たときに維持費の大きな節約につながります。

環境に優しい

ハイブリッド車はガソリン車と比べて、一酸化炭素や窒素化合物、粒子状物質、二酸化炭素といった化学物質の排出量が少ない傾向があります。

化学物質の排出量を減らすことは、環境負荷低減を達成するためにも重要です。今後、車に限らず環境負荷が低い製品を利用することが推奨される風潮はますます強まっていくと考えられます。
ガソリン車よりも環境に優しいハイブリッド車を選択することは、環境保全に貢献するためにも意義のある選択といえるのです。

税制優遇措置が多い

ここまでに紹介してきたとおり、ハイブリッド車にはさまざまな税制優遇措置が用意されています。車の維持費には税金も含まれるため、税金の負担額が増えるとトータルでの維持費も増大します。
自動車税もしくは軽自動車税であれば毎年、自動車重量税であれば車検を受けるごとに納税しなければなりません。こうした税負担を軽減し、車の維持費を抑えられることは、ハイブリッド車を選択する大きなメリットといえます。

ハイブリッド車のデメリット

ハイブリッド車には多くのメリットがある一方で、デメリットとなりうる面もあります。デメリットとして挙げられるのは下記の3点です。

車両価格が高い

一般的に、ハイブリッド車は同じ車種・グレードのガソリン車と比べて車両価格が高く設定されています。ガソリンエンジンのみを搭載している車両と比べて、ハイブリッド車は機構が複雑になっていることが主な要因です。初期コストのみで比較した場合、ガソリン車よりも購入時の負担が大きくなりやすいというデメリットがあります。

ただし、前述のように、長い目で見ればハイブリッド車のほうがガソリン車よりも維持費を節約できます。長期的な視点で捉えた場合、初期コストがやや高くなることは必ずしもデメリットとは言い切れないでしょう。

バッテリーの寿命がある

ハイブリッド車には、電気モーターを動かすためのバッテリーが搭載されています。スマートフォンなどに内蔵されているバッテリーが経過年数とともに劣化していくのと同様に、ハイブリッド車に搭載されているバッテリーの寿命も有限です。

バッテリーが劣化した場合には交換するという選択肢もありますが、交換時には高額の費用がかかる可能性があります。バッテリーの寿命が近づいてきたハイブリッド車は、買い替えを検討してもいいかもしれません。

システムの故障

ハイブリッド車には電気モーターとガソリンエンジンの動力を自動的に切り替えるシステムが搭載されていますが、このシステムが故障する可能性があります。ガソリン車と比べて機構が複雑なハイブリッド車の故障を修理するには、より高い費用やより長い対応期間がかかることも珍しくありません。

定期点検を欠かさず受けるのはもちろんのこと、日ごろからこまめにメンテナンスをして、重大な故障が発生しにくい状態を維持することが大切です。

ハイブリッド車のメリット・デメリット

ハイブリッド車のメリット・デメリット

電気自動車の補助金については、下記のページをご覧ください。

電気自動車の補助金(CEV補助金)とは?制度の概要や上限額を解説!

ハイブリッド車で自動車税を軽減!保険も見直して維持費を抑えよう

ハイブリッド車にはさまざまな税制優遇制度が設けられていることに加え、燃費も良いためトータルでの維持費を抑えられる点がメリットです。一方で、優遇措置は恒久的なものではないため、買い替え時期を適切に見極める必要があります。制度によっては数年以内に終了するものもあることから、車の買い替えを予定している方は、早めに購入を検討するのも1つの考え方です。
ハイブリッド車の購入を検討する際には、初期コストやバッテリー交換による継続的なコストが高くなるという費用面のデメリットについては留意しておく必要があります。

なお、車の買い替えのタイミングで保険を見直して、車の維持費をさらに抑えることを検討してみるのもいいかもしれません。
SBI損保では、インターネットから自動車保険の無料見積りが可能です。また、SBI損保の自動車保険に加入すると、インターネット割引や証券不発行割引によって14,500円割引されます(※)。車を購入予定の方や買い替えを考えている方で保険料を安く抑えたい場合は、まずは自動車保険の保険料の見積りを検討してみてはいかがでしょうか。

  • ①インターネット割引(14,000円)②証券不発行割引(500円)を適用した割引額です。月払の場合は年間14,520円(①14,040円②480円)となります。

執筆年月日:2024年11月5日

ファイナンシャルプランナー 橋本 絵美

監修:橋本 絵美(はしもと えみ)

はしもとFPコンサルティングオフィス代表。福岡県出身。慶應義塾大学商学部卒。2男4女を育てるママFP。子ども=お金がかかるという考え方ではなく、子どもは宝であり、安心してもう一人産めるようにサポートしたいという思いからFPとなる。経験に裏打ちされたアドバイスが好評。

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