自動車に関する税金について、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。自動車の購入や保有に対しては、いくつかの税金の支払義務が発生します。自動車取得時には自動車取得税、消費税が、自動車を保有し、使用している場合には自動車重量税、自動車税、ガソリン税などが課税されます。
自動車に関する税金には、自動車税や自動車取得税、自動車重量税など複数あり、何に対して、いつ支払うのか分かりにくいものですよね。ここでは自動車に関する税金を整理して、詳しくご説明します。
自動車の税金の種類
自動車の税金には、大きく分けて購入時にかかる税金と保有にかかる税金の2種類があります。
前述したとおり、購入時にかかる税金には、自動車税、自動車取得税、消費税、自動車重量税が挙げられます。このうち、自動車税と自動車重量税は保有時にもかかります。また、ガソリン税も保有時にかかる税金です。
課税される税金の種類 | |
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購入時にかかる税金 | 自動車取得税、消費税、自動車重量税、自動車税 |
保有にかかる税金 | 自動車税、自動車重量税、ガソリン税 |
自動車の購入にかかる税金
自動車の購入にかかる税金について、それぞれの概要を確認していきましょう。ここでは、自動車取得税、消費税について確認していきます。
自動車取得税
自動車取得税は、自動車を取得した人に課税される地方税です。
納税額は以下のとおりですが、自動車の取得価額が50万円以下の場合は課税されません。
- ・自家用自動車・・・取得価額(※1)の3%
- ・営業用自動車、軽自動車・・・取得価額の2%
平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に一定の要件を満たす自動車を新車として取得した場合は、エコカー減税として税率が軽減されます。また、同期間に一定の要件を満たす中古車を取得した場合には、取得価額から一定の額が控除されます。
なお、自動車取得税については、以前から「消費税との二重課税ではないか」という議論が起こっており、消費税が8%に引き上げられた時点で税率が引き下げられています。平成31年に予定されている消費税10%への引き上げのタイミングで、自動車取得税は廃止され、環境性能割(※2)という新しい制度が導入される見込みです。
- ※1取得価額は、税事務所で使われている「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」に記載されている課税標準基準額に残価率(自動車の経過年数を考慮して算出された掛け率)を乗じて計算される価額のことを指します。
- ※2環境性能割は燃費性能によって税率が変わり、自動車税や軽自動車税に上乗せするかたちで課税されます。
消費税
消費税とは、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付けおよび役務の提供と外国貨物の引取りに課税される国税で、自動車の購入も対象取引にあたります。2018年現在の税率は8%です。
自動車の保有にかかる税金
自動車の保有にかかる税金について、それぞれの概要を確認していきましょう。ここでは、自動車税、消費税、ガソリン税について確認していきます。
自動車税
自動車税は、地方税の1つです。原則として、自動車(軽自動車除く)を4月1日現在において自動車の所有者に課税されます。自動車の種類・用途・排気量などによって年税額(4月から翌年3月)が定められており、送付される納税通知書により5月末までに納めなければなりません。
なお、年度の中途で抹消登録、新規登録、転入登録などをした場合は月割の税額を支払うことになります。そのため、年度途中で自動車を購入した時にも自動車税は課税されます。
また、軽自動車を対象とする場合は、軽自動車税という名称で呼ばれます。自動車税と同様に4月1日現在、軽自動車などを所有している人に課税されます。ただし、自動車税の様に月割制度がないため、年度途中で自動車を購入した時は、翌年度から課税されることになるため、納付義務は発生しません。
自動車重量税
自動車重量税は、車検証(自動車検査証)の交付などを受ける人および車両番号の指定を受ける人に課税される国税です。車検証(自動車検査証)の交付などを受ける時、または車両番号の指定を受ける時までに、原則としては、その税額に相当する金額の自動車重量税印紙を自動車重量税納付書に貼り付けて納付します。なお、排出ガス性能および燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車については、減税措置があります。
ガソリン税
ガソリン税は、ガソリン代の中に含まれている税金で、正確には揮発油税と地方揮発油税が合算されたものを指します。ガソリンを給油する際、間接的に納税することになります。
自動車の税金の支払いモデル
自動車を購入した際には具体的にはどの程度の金額の税金がかかるものなのでしょうか。自動車取得税については、以下のコラムで詳しく説明しています。
自動車を購入した際は、自動車に関する税金だけでなく、車体価額も支払額に含まれます。もちろん、車種によってもグレードやオプション付加によって、車体価額は変わりますが、自動車の購入は一般的に150万前後はかかってしまいます。車体価額や税金という一側面だけを考慮して自動車を選ぶのではなく、購入時および保有時の全体的な費用も見て、愛車選びをしたいものですね。
執筆年月:2018年5月