自動車のエンジンがかからない場合の対処法|12の原因を解説! - SBI損保の自動車保険
日常的に自動車を運転する機会はあっても、その構造やしくみには詳しくないという方も多いのではないでしょうか。たとえば、万が一エンジンがかからなくなってしまった場合、落ち着いてスムーズに対処するのは難しいものです。そこで今回は、自動車のエンジンがかからない場合の対処法について、順を追って解説します。安全に路側帯に駐停車させる方法や、エンジンがかからない原因についても併せて説明しますので、ぜひ参考にしてください。
自動車のエンジンがかからないときは、以下の流れで一つ一つ対応します。
ここでは、それぞれの項目について、簡単にポイントを確認していきましょう。
自動車に乗ろうとしてエンジンがかからなくなってしまったら、現在停車中の場所が安全な場所かどうかを確認しましょう。走行中にエンジンがかからなくなってしまった場合でしたら、まずは事故を防ぐため、自動車を安全な場所に駐停車します。道路の端に駐停車する際は、「路側帯」や「路肩」、それぞれのルールにしたがって駐停車する必要があります。
路側帯とは、歩道のない道路に設けられた歩行者用のスペースを指し、白線で車道と区別されています。路側帯に停車する場合は、歩行者が通行できるよう、道路の端から75cm以上空けて自動車を停めます。路側帯の幅が75cm以下の狭い場所では、路側帯の中には入らず白線に沿って停車してください。
一方の路肩とは、歩道のある道路に設けられた、歩道と車道の間のスペースです。この場合、歩行者は歩道を使えるため、自動車を車道の左端(路肩)に停車します。
なお、歩道も路側帯もない場所では、道路の左端に自動車を停めましょう。
また、以下のような場所では自動車を駐停車させることができないため、確認しておくことが大切です(道路交通法第44条、45条)。
【駐停車禁止】
【駐車禁止】
自動車を安全な場所へ停めたら、エンジンがかからない原因を確認します。まずは、人為的ミスでないかどうかをチェックしましょう。
人為的ミスとは、車両の故障ではなく、運転者の操作ミスなどが問題となっているケースのことです。たとえば、シフトレバーが「P」の位置に入っていない、ブレーキペダルを踏み込んでいない、ガス欠を起こしている、ハンドルロックがかかっている、といった状況が考えられます。
AT車のシフトレバーの位置が「P」の位置に入っていない、あるいはブレーキペダルの踏み込みが弱いことが原因の場合は、正しい方法を実行することで解決するでしょう。ガス欠であれば、ロードサービスや近隣のガソリンスタンドを利用して給油します。また、ハンドルロックがかかってしまったときは、ハンドルを左右に軽く動かしながらエンジンをかけることで解除可能です。
それぞれの原因と症状については、後ほど詳しく解説します。
エンジンがかからない原因が、人為的な操作ミスではなく、車両の不具合の場合は、応急処置が必要です。
代表的な例としては、バッテリー上がりへの対応が挙げられるでしょう。
バッテリー上がりは、エンジンをかけるのに必要な電気が、バッテリーに蓄えられていない状態なので、外部から電気を送らないとエンジンがかかりません。その際は、ジャンプスターター(自動車用のモバイルバッテリー)を使う、ブースターケーブルという専用コードを使用してほかの自動車のバッテリーから電気を供給してもらうなどの方法で、エンジンを始動します。これらの方法で応急処置をしたら、近くのガソリンスタンドに向かい、充電してもらうことで、バッテリーが充電されます。ただし、これはあくまでも応急処置です。エンジンがかかったら、その後必ずディーラーや専門店で整備・点検をすることが大切です。
ご自身で応急処置をするのが難しい場合や、付近に頼れる人や施設がない場合は、任意加入の自動車保険に付帯されている、ロードサービスを利用しましょう。ロードサービスというとJAFがありますが、自動車保険にもロードサービスが付帯されているものが多くあります。各保険会社によってサービス内容に違いはありますが、バッテリー上がりやガス欠など、事故以外のトラブルにも対応してもらえます。
SBI損保の自動車保険は、業界最高水準(※)のSBI損保安心ロードサービスがすべてのご契約に無料付帯されているため、万が一の際も安心です。ロードサービス拠点数は全国に約10,800か所(2024年3月末現在)あり、夜間や土日を含む24時間365日、お客さまの緊急事態をサポートします。
自動車のエンジンがかからないトラブルに対処するには、正しい原因を突き止める必要があります。ここからは、自動車のエンジンがかからない主な原因と症状について、12パターンを具体的に解説します。
ガス欠は、自動車を動かすのに必要な燃料(ガソリン)が不足している状態です。
【原因】
【エンジン以外の症状】
ガソリンが入っている場合でも、長期間運転していないと、エンジンがかからなくなることがあります。ガソリンは古くなると劣化でドロドロになり、配管やフィルターを詰まらせるからです。
ガソリンスタンドにたどり着く前にガス欠で走行不能になってしまったら、家族や友人に連絡して牽引してもらう、ガソリンスタンドに連絡して携行缶を借りる、JAFや自動車保険会社に連絡してロードサービスを利用する、などの対処法があります。
ハンドルロックとは、盗難防止を目的に搭載されている安全装置機能を指します。
【原因】
【エンジン以外の症状】
ハンドルロックがかかった場合、解除しない限りハンドルは動かず、エンジンもかかりません。たとえば、エンジンを止めた後に、タイヤの向きを直そうとした場合、ハンドルロックがかかります。この場合、先述のとおりハンドルを左右に動かしながらキーを回す(キーレスタイプはエンジン始動ボタンを押す)ことで解除できます。
【原因】
【エンジン以外の症状】
AT車の場合、シフトレバーを「P(パーキング)」に入れないと、エンジンがかからないしくみとなっています。もし、これら以外の位置にシフトレバーがある場合は、「P」に入れることで、問題なくエンジンがかかります。
【原因】
【エンジン以外の症状】
多くのAT車は安全上、シフトレバーを「P」の位置にしたうえでブレーキペダルを踏まないと、エンジンをかけられないしくみになっています。万が一シフトレバーのセンサーが不具合を起こしていたとしても、ブレーキペダルを踏んでいれば、誤発進を防げるからです。ブレーキペダルを踏んでいないことが原因であれば、しっかり踏み込んで始動することで、エンジンがかかります。
【原因】
【エンジン以外の症状】
電子キー(スマートキー)の電池切れや故障の場合、エンジンをかけられないだけでなく、ドアの開錠もできないことがあります。電池切れであれば、新しい電池に交換することで解決します。電池がすぐに手に入らないときは、応急処置として、電子キーに内蔵されているメカニカルキーを使用することで、対処可能です。具体的な操作方法は、車種によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
先ほども少し触れましたが、バッテリー上がりとは、自動車に内蔵されているバッテリーに十分な電気が蓄えられておらず、エンジンがかからなくなる状態のことです。エンジンがかからない理由としては、最も多いといってよいでしょう。
【原因】
【エンジン以外の症状】
自動車のバッテリーは、走行することで充電されます。エンジンを停止した状態で、ライトなどをつけっぱなしにして放置すると、バッテリー上がりを起こします。この場合、エンジンだけでなく、電装品も動かすことができません。応急処置として、先述のとおり、ほかの自動車から電気を分けてもらう「ジャンピング」という方法があります。バッテリーは3年から5年程度が寿命なので、定期的に交換することが大切です。
なお、気温が低いことでバッテリーの放電力が弱まっているときや、バッテリー内の液量不足・バッテリーターミナルの腐食が起きているときも、バッテリー上がりと似たような状態になります。
セルモーターとは、エンジンを動かすためのモーターです。セルモーターが回らない場合、エンジンをかけることができません。
【原因】
【エンジン以外の症状】
セルモーターは電気で動くため、本体の故障以外に、バッテリー上がりもセルモーターが作動しない原因となります。そのため、バッテリー上がりが解消すれば、セルモーターが回り、エンジンが始動することもあります。ほかの自動車から電気を分けてもらう「ジャンピング」などの方法で、バッテリー上がりを解消し、エンジンが始動するかを確かめましょう。なお、解消したとしても、その後必ずディーラーや専門店で整備・点検してもらいましょう。
10万kmから15万km程度がセルモーターの寿命とされるので、場合によっては交換が必要です。
ヒューズとは、自動車の電気回路を守る装置です。異常な電流を検知したときに、配線や部品を守るため、ヒューズが切れることで、電気を遮断します。こうなると、結果的に自動車に電気が流れなくなるため、エンジンもかかりません。
【原因】
【エンジン以外の症状】
ヒューズボックスを開けて、中を確認してみましょう。ヒューズが切れていれば、ヒューズ交換をする必要があります。消耗品であるため、状態にもよりますが、トラブルがなくても10年程度を目安に交換しましょう。自分で交換することも可能ですが、交換してもすぐに再発する場合は、配線がショートしている可能性があるため、専門家による整備をおすすめします。
オルタネーターとは、自動車の発電機として機能する部品のことです。オルタネーターが寿命による劣化や故障によって不具合を起こすと、発電ができないため、バッテリーにも電気を蓄えることができず、エンジンがかからなくなります。
【原因】
【エンジン以外の症状】
オルタネーターは故障することもありますが、消耗品であるため、走行距離を目安に、点検を怠らないようにしましょう。10万km程度を目安に定期的な交換が必要とされます近年は性能の向上により20万kmから30万km走っても問題ない場合もあります。もし異常が見つかった場合は、修理工場などで交換することとなります。
オーバーヒートとは、エンジンが高温になりすぎて、不具合が起きている状態を指します。
【原因】
【エンジン以外の症状】
冷却水やエンジンオイルなど、はエンジンが高温になりすぎないよう調節する役割がありますが、これらが何らかのトラブルで不足したり漏れたりすると、オーバーヒートの原因となります。オーバーヒート時は、部品や蒸気が高温となり、やけどをする可能性もあります。エンジンはかかっても、異音がする、白煙が出るといった症状が見られたら、ロードサービスなどを依頼し、修理工場などで整備してもらいましょう。
ウォーターハンマーとは、水没などが原因でエンジンのシリンダーなどに水が入り込み、部品が破損することです。
【原因】
【エンジン以外の症状】
エンジンは混合気(空気とガソリンが混ざり合ったもの)を圧縮して熱エネルギーを生み出しています。エンジン内部に水が入ると圧縮ができなくなり、その結果、無理な動作が発生することで部品が破損してしまいます。ウォーターハンマー現象は、エンジン内部で起こるトラブルのため、ご自身で症状を判断するのは困難です。そのため、水没した自動車はエンジンをかけないようにしてください。レッカー車などで修理工場へ運び、業者に点検してもらいましょう。
自動車は複数の部品が相互に関連して成り立っているため、どの部分が故障・不具合を起こしているのかわからないケースもあります。たとえば、エンジンを動かす部品にゴム製のタイミングベルトが使われている場合、その劣化による不具合は外からでは判断できません。このように、人為的ミス以外でエンジンがかからない理由がわからない場合は、ロードサービスを利用すると安心です。
万が一自動車のエンジンがかからなくなってしまったら、まずは路側帯など安全な場所に駐停車することが大切です。その後、人為的な操作ミスでないかを確認し、必要に応じて応急処置をする、ロードサービスを利用するという手順を踏みましょう。エンジンがかからない原因はさまざまですが、対処法を事前に理解しておくことで、落ち着いた対応が可能となります。
SBI損保の自動車保険では、すべてのご契約に業界最高水準(※)のSBI損保安心ロードサービスが無料付帯されます。おトクな割引も充実しているので、自動車保険ご加入の際はぜひご検討ください。
執筆年月日:2022年11月20日
(最終更新年月日:2023年7月20日)
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