交通事故の示談とは?示談金の基準や交渉の流れ、注意点などを詳しく解説 - SBI損保の自動車保険
自動車による交通事故を起こされた場合、裁判や調停などによる解決方法もありますが、多くは示談による解決を目指すことになります。本記事では、交通事故の被害者になった場合の示談の流れや解決までの期間、示談金、注意点などについて解説します。
交通事故の示談とは、過失割合や慰謝料などの賠償額や賠償内容について、裁判ではなく当事者間の話し合いによって決定することです。
交通事故の裁判には、加害者の刑事責任を問う刑事裁判と、加害者に損害賠償を請求するための民事裁判があります。特に民事裁判の場合、解決までに長い時間がかかることが一般的であり、裁判費用や弁護士費用もかかります。そのため、交通事故の場合は示談による早期解決を目指すケースが多い傾向があります。
示談にかかる期間は、事故の状況などによって異なりますが、軽傷の事故や物損事故であれば、2か月から半年が目安です。一方、後遺症が残る事故や死亡事故の場合は、示談交渉が長期化することが多く、半年から1年ほどが目安になります。
なお示談は一度成立してしまうと、法的拘束力が発生するため、原則的に後から合意内容の撤回や再交渉することはできません。
交通事故の示談では、示談金や過失割合、支払方法、条件などが話し合われます。ここでは示談金とその内訳、過失割合について解説します。
交通事故の示談金とは、被害者の損害額を加害者に補償してもらう損害賠償金のことです。示談交渉で金額が決められるため、示談金といわれています。
示談金に含まれる主な項目は、次のとおりです。
交通事故の過失割合とは、事故の当事者双方にどのくらい責任があるのかを示した割合のことです。過去の裁判例を基準にして決定されます。過失割合は9対1、8対2のように表され、交通事故では被害者側にも過失割合がつくことがあります。
過失割合は示談金の額に大きく影響するのが特徴です。たとえば損害額が100万円で過失割合9対1だったとすると、被害者が加害者に請求できるのは90万円になります。
交通事故の示談交渉はどのように進められるのでしょうか。以下に事故発生から示談交渉による合意までの流れを解説します。
交通事故が発生したら、まず警察に通報しなければなりません。これは法律(道路交通法第72条第1項)で定められている義務です。続いて、事故状況を確認し、カメラなどに記録しておきます。加害者の氏名や連絡先を確認し、できれば加害者の車両ナンバーなども控えておくとよいでしょう。
加入している保険会社への連絡は、被害者側から忘れずに、迅速に行う必要があります。連絡を受けた保険会社は、被害者が賠償保険金を請求できるようにするために、事故原因の調査や事故による損害調査を行います。
なお、対人事故の場合は、自賠責保険からも支払われます。また、加害者が任意保険に加入している場合は、自賠責保険の保険金額を超える部分が支払われます。
交通事故の後は必ず早めに病院に行って、診察を受けておく必要があります。
事故による症状は、必ずしも事故直後に表れるとは限りません。事故から間を空けて受診すると、事故による症状かどうかの判別がつきにくくなってしまいます。事故との因果関係がないと診断されてしまうと、治療費の請求ができない場合もあるため、事故直後に受診しておくことが重要です。
一般的に治療は、完治(事故前の状態に戻るまで回復)するか、治療を継続しても症状の改善が見込めない症状固定の診断を受けるまで続ける必要があります。症状固定や完治した場合は損害額が確定するため、示談交渉を進められます。
完治せずに後遺症が残る場合は、後遺障害等級の認定申請により、要介護1級、2級または1級から14級の等級認定を受けることになります。等級認定後は、示談交渉が始まります。
示談交渉の結果、当事者双方が内容に合意できる場合は、合意内容をもとに示談書を作成します。双方が示談書に署名捺印すれば、示談交渉終了になります。前述したように、いったん示談が成立すると、撤回や再交渉することはできません。そのため、示談書は成立前に入念に確認しておかなければなりません。
特に、次に挙げる項目については内容に間違いがないか、必ず確認しておきましょう。
なお、示談書の内容に納得できず、示談交渉が不成立となった場合は、裁判で争うことになります。
交通事故の示談交渉における注意点を、以下に紹介します。
交通事故による損害賠償請求権には時効があることをおさえておきましょう。加害者に対する損害賠償請求権の時効は、損害及び加害者を知った日の翌日からスタートします。時効の起算点や時効期間は事故の内容によって異なるのが特徴です。
物損事故の場合は事故発生翌日から3年、人身事故は後遺症がない場合で事故発生翌日から5年、後遺症がある場合は症状固定の翌日から5年、死亡事故の場合は死亡翌日から5年となります。
交通事故の示談交渉では、多くの場合、交渉の相手は保険会社です。そして、被害者側の過失がゼロでなければ加入している任意保険会社が示談を代行してくれます。ただし、被害者側が過失ゼロの場合は、法律により保険会社は示談交渉できません。被害者が直接、加害者や加害者側の保険会社と交渉することになります。
示談交渉において、相手側の提案に安易に乗ってしまうと、本来の額に見合わない賠償額になる可能性があるため注意が必要です。また、早い時期の解決のために、相手側から治療の打ち切りを提案されるケースもあります。しかし、症状固定前に示談に応じてしまうと、慰謝料などの金額が少なくなってしまうため、最後まで通院を継続することが大切です。
加害者側の保険会社や弁護士を相手に、被害者自身で示談交渉することは、容易ではありません。思うように示談交渉が進まない場合などは、専門家(弁護士)へ依頼するのがよいでしょう。任意保険に弁護士費用特約(SBI損保では「弁護士費用等補償特約」という)をセットしておくと、弁護士費用を保険でまかなうことができます。また、もらい事故の場合でも保険による対応が可能です。
加害者が任意保険に加入している場合、対人事故であれば、まず自賠責保険で補償され、自賠ではカバーしきれない部分は任意保険で被害者に賠償金が支払われます。加害者が任意保険に未加入の場合でも、自賠責保険(法律で加入が義務付けられている保険)に被害者請求することで、最低限の補償を受けられます。ただし、最低限の補償を受けられるのは対人事故の場合に限ります。
しかし、万が一加害者が自賠責保険にも未加入であった場合には、自賠責保険からの補償も受けることができません。その場合は、被害者が受けた損害を、国が加害者に代わって立替払いする制度「政府保障事業」を活用することで、自賠責保険と同程度の金額を受け取ることができます。
示談とは、賠償内容を当事者間の話し合いにより決定することです。交通事故の被害にあったときに、納得できる内容で早期解決を目指すためにも、示談の流れや注意点などをおさえておくことが大切です。
SBI損保は、被害にあわれたお客さまに代わって事故解決まで示談交渉します。被害事故相談サービスにより、お客さまが被害にあわれた事故に関する相談についても、専任スタッフが親身に細やかなアドバイスをさせていただきます。
執筆年月日:2023年8月17日
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