いたずらで車両が傷付いたら損害は補償される?

「〇〇地区で、アイスピックのような鋭利なもので、タイヤがパンクさせられるという被害が相次いでいる」
TVなどでそんなニュースを見たことはありませんか。実際に被害を経験したことのある方もいるかもしれません。
車に対するいたずらは、「タイヤの空気を抜かれた」「ボディにコインで傷をつけられた」等のよく耳にするものから、「燃料タンクに何かを混入された」「ボディに液体をかけられた」等、より手の込んだものまで、さまざまなケースが存在します。
また、「いたずら」というと、自分はバレないと思ってこのようなことをする人がいるかもしれませんが、器物損壊罪として刑事罰の対象となる、れっきとした犯罪です。
昨今はいたるところに防犯カメラが設置され、防犯対策もすすんでいますが、いまだに多くのいたずら被害が全国各地で報告されています。 たまたま犯人のターゲットになってしまったり、はたまた何らかの怨恨に基づくものだったり・・・自分の車は絶対に大丈夫!とは言い切れません。
もしもいたずら被害にあってしまった場合、自動車保険の補償対象となるのでしょうか?

いたずら被害は車両保険で補償

いたずら被害は車両保険で補償

自動車保険において、自分の車に対する補償は「車両保険」部分となります。
この車両保険ですが、SBI損保では下記の2種類があります。

  • 『一般車両』タイプ
  • 『車対車+限定A』タイプ

下記の表をご覧ください。

一般車両

車対車+限定A

車やバイクとの衝突・接触

自転車との衝突・接触

×

電柱・建物などとの衝突や接触(単身事故)

×

あて逃げ

×

転落・墜落

×

火災・爆発・台風・洪水・高潮など

盗難・いたずら・落書き

窓ガラスの損害・飛び石による損害

「○」:補償されます。「×」:補償されません。

「車対車+限定A」の場合は相手の車とその運転者または所有者が確認できる場合に限ります。

いたずら被害については、『一般車両』『車対車+限定A』のどちらのタイプでも補償の対象となります。

「いたずら被害」による保険金請求は、ボディに関するものが多数を占めています。
落書きや蹴られたことによる凹みなど、被害事例は様々ですが、たとえば「落書き」の場合、損傷の範囲はごくごく小さなこともあれば、ドア1枚からボディ全面に及ぶこともあります。もっとも、広範囲にわたる損傷については、犯人側としても時間がかかり目撃されるリスクが大きいため、ケースとしてはそんなに多くはありません。ですが、このような場合は修理代金が高額になる可能性があります。

『車対車+限定A』タイプはエコノミー車両保険ともいわれており、補償の適用範囲が絞られている分、比較的リーズナブルな保険料となっています。
現在車両保険を付帯していない方は、いたずら被害はもちろんその他のリスクも考慮したうえで、どちらのタイプを付帯するかぜひ検討してみてください。

 

「タイヤ単独の被害」は補償の対象外!

ここで一つ注意が必要です。

車両保険は、「タイヤの単独事故」は補償の対象外となります。

 
「タイヤ単独の被害」は補償の対象外!

「いたずら」においても同様で、タイヤ「だけ」がいたずら被害にあった場合は車両保険が適用されません。
その理由として、タイヤの単独事故は、発生原因の特定が困難だからです。
タイヤは常に地面と接触し、磨耗を繰り返しています。よって、タイヤがパンクした場合、それが摩耗によるものなのか、いたずらによるものなのか、はたまた偶然釘でも踏んだものなのか・・・様々な原因が考えられ、特定することが難しいためです。
「いたずら」からは少し話がそれますが、タイヤは構造によっていくつか種類があり、現在のほとんどの乗用車が「ラジアル構造のタイヤ(ラジアルタイヤ)」を採用しています。ラジアルタイヤは接地面が補強されているので、操縦性や安定性に優れている反面、タイヤの側面の強度が弱いため、穴など空いてしまうと交換が必要になります。タイヤ4本というと、それなりに高額になるケースがありますが、このような場合も「タイヤ単独」の損傷となるので、補償の対象外となります。
このように、保険金が支払われないケースもあるので、車両保険の補償内容はしっかり確認しておきましょう。

 

いたずら被害にあったら、保険は使うべき?

いたずら被害にあったら、保険は使うべき?

いたずら被害により車両保険を使った場合、翌年のノンフリート等級が1等級ダウンします。3等級ダウンに比べると、1等級ダウンで済む「いたずら被害」は、それほど保険料負担を気にせずに保険金請求ができるといえます。
ですが、1等級しか下がらないからといって、必ずしも保険金請求した方がよいとは限りません。等級ダウンによりアップする翌年保険料と修理費用を比べて、最終的に支出が少なくすむ方を選択するのも良いでしょう。
また保険を使うか否かは、設定している免責金額(自己負担額)も考慮する必要があります。例えば、免責金額を5万円に設定していて、車の修理に6万円かかるとしたら、支払われる保険金は1万円です。翌年の保険料が等級ダウンにより1万円以上アップするのであれば、使わない方がおトクだったということになります。
保険金請求の際には保険会社の担当者とよく相談して、保険を使うかどうかを検討することをおすすめします。

最後に、いたずら被害にあった場合はまず警察への届け出を行いましょう。
必ずしも犯人が見つかるとは限りません。ですが、付近のエリアが警戒強化の対象となったり、人々に注意喚起が行われたり、通報は今後の犯罪の抑止力ともなりえます。保険金を受領した後犯人が捕まった場合に、自己負担(免責額)があれば立て替えた自己負担額が請求可能です。そのためにも、車のいたずら被害にあわれた時は、必ず警察への被害届の提出をお願いします。

 

執筆:H.S 損害サービス第1部
(当時・損害サービス業務部)

大学・大学院と自動車のエンジンの研究を行い、卒業後は自動車メーカーで設計を行うも、損害保険会社に転職。損害保険では損害サービス部門で保険金支払い業務に携わり18年が経過。近年の自動車の開発スピードに知識がついていけるよう勉強中。

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