先日、東関東自動車道を家族と潮来方面に向かっていたところ、「カンッ!」という大きな音が車中に響きました。何かが飛んできて、車に当たったようです。でも、何が当たったのか、それがどこから飛んできたか見当がつきません。
音のわりに揺れなどの衝撃もなく、運転には支障がなかったので、そのまま目的地に向かいました。
到着後に車のボディを確認したところ、一見真新しい傷などはありません。ですが、よくよく見ると、フロントライトの少し上、ボンネットの部分に3ミリ程度の塗装の剥がれを発見しました。先ほどの飛来物によってできた傷でしょう。
飛び石被害とは
今回生じた小傷は、高速道路を走行中、前方の車のタイヤが小石を跳ね上げ、それが飛んできてできたものでしょう。このようなケースを飛び石被害といいます。
被害の程度は、小さなへこみや塗装の剥がれがほとんどですが、大きな被害がもたらされることもあります。代表例として、フロントガラスの破損があります。フロントガラス全体の交換が必要になるため、それなりの修理費用がかかってきます。
飛び石被害への備え
飛び石を避けるには、ほかの車との車間距離をとる、スピードを出しすぎない、舗装された道を走るようにするなどの自衛手段があります。
とはいえ、完全にリスクを回避することはできません。
そこで、自動車保険に「車両保険」を付帯しておくことが、いざという時の備えになります。
車両保険は自分の車の損害のカバーが可能。つまり飛び石被害による修理費用も保険でまかなうことができるのです。
車両保険の種類
SBI損保の自動車保険には、車両保険は下記の2種類があります。
- ・『一般車両 』タイプ
- ・『車対車+限定A』タイプ
これらの違いは、補償される事故の範囲です。
一般車両 | 車対車+限定A | |
---|---|---|
車やバイクとの衝突・接触 | ○ | ○※ |
自転車との衝突・接触 | ○ | × |
電柱・建物などとの衝突や接触 (単独事故) |
○ | × |
あて逃げ | ○ | × |
転覆・墜落 | ○ | × |
火災・爆発・台風・洪水・高潮など | ○ | ○ |
盗難・いたずら・落書き | ○ | ○ |
窓ガラスの損害・飛び石による損害 | ○ | ○ |
「○」:補償されます。「×」:補償されません。
- ※「車対車+限定A」の場合は相手の車とその運転者または所有者が確認できる場合に限ります。
ご覧のとおり『一般車両』であれば車がさらされる多くのリスクに対応しておりますが、『車対車+限定A』は補償の範囲は狭くなります。
しかしながら、飛び石の損害はどちらの車両保険でも補償が可能です!
『車対車+限定A』は「車同士の事故以外は補償されないのでは?」と思われている方も多いので、飛び石被害が補償されることに驚かれるかもしれません。
『車対車+限定A』という名称の「限定A」という部分は、「運転中の不注意などによるものではない、不可避な事故をカバーする」という目的の補償です。飛び石はまさにこの不可避な事故にあたるものとして考えられるため、補償されるのです。(ただし、不可避とは言っても、「地震による災害」などは補償されませんので、ご注意ください。)
保険を使うとどうなるか
自動車保険にはノンフリート等級制度というものがあり、1年間無事故だと翌年度は1等級上の等級が適用され、反対に事故を起こした場合は1回の事故につき3等級下の等級が適用されます。全体の傾向として、等級が上がれば割引率も上がり、等級が下がれば割引率も下がるようになっています。
また、1等級だけ下がる事故(1等級ダウン事故)や等級が下がらない事故(ノーカウント事故)もあり、今回のテーマである飛び石による事故は1等級ダウン事故に該当します。これは、前述のとおり飛び石事故は不可避な事故であると考えられているためです。
保険を使う?自費修理する?
飛び石被害は保険を使っても1等級ダウンで済むとはいえ、車両保険を請求する前に、
- ・被害による修理費用
- ・保険を使った場合に来年から上がる保険料
この2つを慎重に比べる必要があります。
修理費用の金額によっては、保険を使うと損をすることもあるからです。
たとえば、車両保険の自己負担額を5万円に設定し、事故による修理費が12万円となった場合、自己負担分の5万円を超過した7万円は保険金にてカバーされます。
ですが、翌年の保険料が7万円以上上がるのであれば、保険を使わないほうが出費が少なくすんだのに・・・ということになってしまいますね。
そういった心配ごとを解消するためにも、被害にあったら、契約している保険会社へ相談しましょう。
SBI損保では、事故のご登録をした際、「保険を使った場合の自己負担額(免責金額)」と「今後3年間の保険料」の差額をお客さまにご案内しています。そのうえで、修理代金が確定したのちに、保険使用の可否を決定することができます。
まとめ
車両保険に加入していれば飛び石による損害は補償されます。
車両保険のタイプは『一般車両』でも『車対車+限定A』でも問題ありません。
保険を使うと、翌年1等級ダウンとなります。翌年アップする保険料と修理費用を比べ、最終的にどちらがおトクになるかをよく確認しましょう。