自動車保険の等級は保険料の割増率・割引率を決めるためのもので、等級が高くなるほど割引率も高くなるというしくみになっています。しかし、このような話を聞いたことがあっても、どの程度まで安くなるのかという疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。
本記事では、20等級の自動車保険の保険料相場と割引率と、等級を上げる以外で自動車保険の保険料を安く抑える方法について解説します。少しでも保険料を抑えたい方はぜひチェックしてみてください。
20等級は自動車保険で最も割引率の高い等級
自動車保険の等級は、契約者の過去の事故歴に応じて保険料の割増率・割引率を決めるためのしくみです。等級が上がるほど事故のリスクが低いと判断され、その分割引率が高くなり、保険料が安くなります。自動車保険の等級(ノンフリート等級)には1等級から20等級があり、20等級はその中で最も高い等級で、保険料の割引率も最も高く設定されています。
初めて自動車保険に加入する場合、原則6等級(一定の要件を満たす場合は7等級)からスタートします。契約後、事故を起こして保険を使うと等級が下がりますが、無事故であれば1年に1等級ずつ上がっていきます。
そのため20等級になるまでに、6等級からのスタートなら最短14年、7等級からのスタートなら最短13年という長い時間がかかります。
20等級の割引率は?
自動車保険の等級は損害保険料率算出機構によって参考値(自動車保険参考純率)が提供されています。2024年7月時点の自動車保険参考純率は下表のとおりです。
等級 | 割増率(+)/割引率(-) | |
---|---|---|
無事故 | 事故有 | |
1等級 | +108% | |
2等級 | +63% | |
3等級 | +38% | |
4等級 | +7% | |
5等級 | -2% | |
6等級 | -13% | |
7等級 | -27% | -14% |
8等級 | -38% | -15% |
9等級 | -44% | -18% |
10等級 | -46% | -19% |
11等級 | -48% | -20% |
12等級 | -50% | -22% |
13等級 | -51% | -24% |
14等級 | -52% | -25% |
15等級 | -53% | -28% |
16等級 | -54% | -32% |
17等級 | -55% | -44% |
18等級 | -56% | -46% |
19等級 | -57% | -50% |
20等級 | -63% | -51% |
自動車保険参考純率は7等級以上になると「無事故/事故有」で割引率が異なります。20等級の割引率は、無事故で-63%、事故有で-51%です。事故有とは、「事故有係数(※)」が適用されている場合の割引率で、同じ20等級でも無事故のほうが割引率は高くなります。
なお、損害保険料率算出機構の自動車保険参考純率をもとに各保険会社の割増率・割引率が決められるため、上表の割増率・割引率と実際に保険会社が使用する割増率・割引率は異なります。
- ※ 事故有係数については、後述の「よくある質問」で解説します。
20等級の自動車保険の保険料相場は?
20等級の割引率については前述のとおりですが、具体的な保険料の金額はどのくらいになるのでしょうか。ここではSBI損保の自動車保険の保険料の相場を、20等級と6S等級(新規契約の場合の6等級)のお見積保険料で比較してみましょう。なお、等級と前年の走行距離以外は同じ条件で算出しています。
お車:ホンダ N-BOX
43歳 男性の場合
6S等級 | 20等級 | ||
---|---|---|---|
保険料 | 一括払 (年間) |
55,940円 | 21,310円 |
月払 (月額) |
5,020円 | 1,900円 |
【算出条件(共通)】
個人契約、保険始期:令和6年9月、車名:N-BOX、型式:JF6、初度登録年月:令和6年9月、使用目的:日常・レジャー、ノンフリート等級:上記記載のとおり(事故有係数適用期間0年)、年齢条件:26歳以上補償、運転者限定:本人・配偶者限定、割引:ゴールド免許割引/新車割引/インターネット割引/証券不発行割引、記名被保険者:43歳・広島県在住、対人賠償保険:無制限、対物賠償保険:無制限、人身傷害保険:5,000万円(自動車事故補償)、搭乗者傷害保険:1,000万円、車両保険種類:車対車+限定A、車両保険金額:200万円、車両自己負担額:5-10万円、契約形態:継続契約以外
【算出条件(20等級)】
年間走行距離:3,000km超 5,000km以下
上記の条件では、6S等級の保険料が年間55,940円であるのに対し、20等級の保険料は年間21,310円と半額以下です。契約内容によって保険料は変わってくるので上記金額はあくまで目安ですが、無事故を続けて等級を上げることができれば、大幅に保険料を安く抑えられることがわかります。
等級を上げる以外の方法で自動車保険の保険料を安くするには?
無事故を続けて等級を上げる以外にも保険料を安くする方法はあります。ここでは契約内容を工夫することで保険料を安くできる方法を紹介します。
不要な特約を外す・補償の重複に注意する
自動車保険には基本補償に特約をセットすることができますが、ご自身にとって本当に必要なものに絞ることで保険料を抑えられます。特約には個人賠償責任危険補償特約や、弁護士費用特約、車内外身の回り品補償特約、ファミリーバイク特約などがありますが、ご自身にとって本当に必要かどうかを再検討し、不要な特約は外すことも考えましょう。
また、自分と家族がそれぞれで加入している自動車保険で特約が重複するケースや、火災保険や傷害保険など自動車保険以外の保険と補償が重複するケースもあります。契約前に補償の重複がないかよく確認することが大切です。
運転者の範囲を絞る
自動車保険を契約する際に、運転者の範囲を絞ることでも保険料を抑えられます。たとえばSBI損保の自動車保険では、「本人限定」「本人・配偶者限定」「家族限定」を運転者の範囲として設定できます。
また、運転する人の年齢条件を限定することで、保険料の割引を受けることも可能です。SBI損保の自動車保険では「年齢を問わず補償」「21歳以上補償」「26歳以上補償」の3種類があります。
お車にご自身やご家族しか乗らない場合や、自動車を運転する26歳未満(もしくは21歳未満)の同居親族がいない場合などは、運転者の範囲を絞ることも検討しましょう。
保険料を一括払にする
保険料の払込方法を一括払にすることでも、保険料を節約できます。月払よりも一括払のほうが保険料は割安に設定されている場合が多いので、無理なく支払えるのであれば一括払での払込を検討しましょう。
SBI損保の自動車保険でも、月払より一括払のほうが保険料は割安に設定されています。
ダイレクト型の自動車保険を選ぶ
自動車保険にはディーラーなどの代理店を通じて契約する「代理店型」と、インターネットや電話で契約する「ダイレクト型」がありますが、一般的にダイレクト型の自動車保険のほうが保険料は割安です。
またダイレクト型の自動車保険は各種割引制度も充実しているケースが多く、契約条件によってはさらに保険料を抑えられる可能性があります。SBI損保の自動車保険もおトクな割引が充実しているので、お見積りをご検討ください。
よくある質問
ここでは等級制度に関するよくある質問に回答します。同じような疑問をお持ちの方は参考にしてみてください。
20等級から下がることもあるのか?
20等級でもほかの等級と同様に、事故を起こすなどして自動車保険を利用すれば、翌年度の等級は下がります。
事故で自動車保険を利用する場合、事故の内容に応じて「3等級ダウン事故」、「1等級ダウン事故」、「ノーカウント事故」に分けられますが、ノーカウント事故(例:人身傷害保険金のみが支払われた場合、特約の保険金のみが支払われた場合など)に該当しない場合は、翌年度の等級は下がります。
一度でも事故を起こすと20等級(無事故)の割引率が適用されることはないのか?
事故を起こして自動車保険を使用しても、一定期間無事故であれば、20等級の無事故の割引率が適用されます。
自動車保険の等級では、7等級以上の場合は無事故と事故有の割引率があり、事故有係数適用期間が0年の場合は無事故の割引率が、事故有係数適用期間が1年以上の場合は事故有の割引率が適用されます。同じ等級でも無事故の割引率のほうが高いため、保険料は割安になります。
事故有係数適用期間とは、事故有の割引率(事故有係数)が適用される期間のことで、上限は6年です。前年に「3等級ダウン事故」が生じた場合は事故1件につき3年、「1等級ダウン事故」が生じた場合は事故1件につき1年が加算されます。その後1年を経過するごとに、保険金をお支払いする事故の有無にかかわらず1年ずつ減っていくしくみです。
たとえば20等級の方が3等級ダウン事故を起こした場合、翌年度は17等級、事故有係数適用期間は3年となり、3年間事故有の低い割引率が適用されます。その後、3年間無事故であれば事故有係数適用期間は0年になり、等級も20等級に戻るため、20等級の無事故の割引率が適用されます。
まとめ
自動車保険の等級は、事故歴などに応じて保険料の割増率・割引率を決めるためのしくみです。20等級は最も高い等級で、割引率も最も高く設定されているため、等級が低い場合と比べて保険料は割安になります。
安全運転を心がけて事故を起こさないことが20等級への近道であり、保険料の節約にもつながりますが、等級を上げる以外にも保険料を安くする方法はあります。20等級を目指す、または維持することに加えて、今回ご紹介したような方法も含めて保険料を抑える工夫をしましょう。
SBI損保の自動車保険はリーズナブルな保険料ながら、業界最高水準(※1)のロードサービスも無料付帯しています。各種割引も充実しており、インターネットからの新規お申込みで保険料14,500円割引(※2)になります。保険料を抑えながら快適なカーライフを送りたい方は、SBI損保の自動車保険を検討してみてはいかがでしょうか。
- ※1 2023年2月SBI損保調べ。各社の無料ロードサービスの比較表はこちら。
- ※2 ①インターネット割引(14,000円)②証券不発行割引(500円)を適用した割引額です。月払の場合は年間14,520円(①14,040円②480円)となります。
執筆年月日:2024年9月11日