高齢ドライバー事故が急増!自動車保険でしっかり備えて
70代の男性が運転する車が歩道を暴走して複数人を死傷させた事故――。90代の女性が運転する車がバイクに乗った高校生をはね、ひき逃げしたとされる事故――。高齢ドライバーが起こした痛ましい事故の記憶は、まだ残っていることでしょう。
令和3年末時点で、65歳以上の高齢者のうち、運転免許保有者は約1,928万人、運転免許保有者全体の約23.5%を占めています(※1)。これら、高齢運転免許保有者のうち、どれくらいの人数が日常的に運転している高齢ドライバーかはわかりません。しかし、高齢化に伴って、高齢ドライバーは今後も増え続けるだろうことは想像できます。
高齢ドライバーが増えると、事故も増えることが懸念されます。警視庁のデータによると、東京都内の交通事故件数は年を追うごとに減少し続け、令和3年は約2万7000件でした。今から10年前(約4万7000件)から約2万件減少しています。ところが、高齢ドライバーがかかわる事故は増加の一途をたどり、令和3年は交通事故全体の15.8%、今から10年前(13.9%)に比べて、増加しています(※2)。これは、東京都のデータですが、全国的に同じような傾向だと思われます。つまり、交通事故そのものの件数は減っているのに、高齢ドライバーの事故は増えているということです。
なぜ、高齢ドライバーの事故が増えているのでしょうか。加齢や認知機能の衰えによる注意力や集中力、とっさの判断力や行動力などの低下が原因です。具体的には、ハンドル操作の誤りやアクセルとブレーキの踏み間違い、前方不注意、信号無視などです。特に、高齢ドライバーに限ったことではありませんが、秋から冬にかけての今ごろの時期は、日没が早くなるので薄暮の時間帯の事故が増えます。また、寒くなるにつれて身体が堅くなり、とっさの行動が遅れがちになることも事故が増える要因です。
当然のことながら、高齢ドライバーが起こした事故でも、過って人やモノに損害を与えれば損害賠償責任を負います。そのような損害賠償やドライバーと同乗者の受ける損害に備えられるのが自動車保険です。車を運転するなら、入っていて当然の保険です。今一度、補償内容を確認しておきたいもの。
他人を死傷させた場合の対人賠償は無制限で契約している人がほとんどですが、他人の店や建物、営業物などに損害を与えた場合の対物賠償は上限金額を設けた契約にしている人が少なくありません。対物賠償も無制限に設定しておくべきです。そうすれば、億単位の賠償にも備えられます。
高齢ドライバー自身や同乗者の死傷には、人身傷害保険で備えましょう。これは、ハンドル操作の誤りやアクセルとブレーキの踏み間違いなどで単独事故を起こし、運転者や身内の同乗者が死傷しても、設定した保険金額を上限として、かかった治療費などの実費が受け取れます。設定する保険金額は、高齢ドライバーであれば2000万円から3000万円でいいでしょう。
なお、高齢になって運転中のうっかり事故が増えてきた、認知症が疑われるようになったら、運転免許証を返納しましょう。親御さんの運転能力が衰えてきたなと感じたら、返納を勧めてください。車がないと生活が不便かもしれませんが、他人様の身体や財産を傷つけてしまってからでは遅いですから。
- ※1警察庁交通局運転免許課「運転免許統計 令和3年版」
- ※2警視庁Webサイト「防ごう!高齢者の交通事故!」
- *2022年12月31日以前の契約では、補償・特約名称、内容が一部異なる場合があります。
執筆年月:2015年12月
(最終更新日:2022年10月17日)
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