ドライブレコーダーとは|選び方やメリット・設置方法も解説! - SBI損保の自動車保険
ドライブレコーダーが普及してきた昨今。国土交通省が2020年12月に発表した「国土交通行政インターネットモニターアンケート 自動車用の映像記録型ドライブレコーダー装置について」によると、53.8%の自家用車にドライブレコーダーが設置されているという結果が出ています。
交通事故やあおり運転の被害にあった際、ドライブレコーダーの映像が事故の検証に役立つと聞くものの、設置すべきか迷っている人や、商品の選び方がわからない人もいるでしょう。本記事では、ドライブレコーダーの役割やメリット・デメリットを解説。さらに選び方のポイントや取り付け方法についても紹介します。
目次
ドライブレコーダーとは、運転時の映像や音声を記録する車載機器のことです。万が一事故にあってしまったときも、事故前後の状況を記録することで、事故処理の迅速化に活用できます。また、記録された映像から自分の運転特性を把握できるため、事故防止に役立てることも可能です。
さらに、ドライブレコーダーは近年問題となっている「あおり運転」にあったときの対策にも有効です。2020年6月に施行された道路交通法改正では、あおり運転に対する厳罰が盛り込まれ、施行から1年間で100件が摘発されていますが、このうち約9割はドライブレコーダーの映像が決め手となったと言われています。
このように、交通事故やあおり運転にあった時の状況の記録としての活用や、運転行動を振り返ることでの事故防止効果などにおいて、ドライブレコーダーの設置は重要な役割を果たしています。
現時点では、自家用車へのドライブレコーダーの設置は義務ではありません。しかし、2016年に長野県の軽井沢で起きたスキーバス事故以降、国土交通省は貸切バスの事業者に対して、運転映像の記録と保存を義務化しました。そのため、現在では貸切バスにはドライブレコーダーの設置が義務付けられています。
なお、2022年5月以降販売の新車には、バックカメラなどの「後退時車両直後確認装置」の設置が義務付けられました。2024年5月以降は継続生産車にも義務付けられています。
また、あおり運転など運転中の迷惑行為のニュースを見たことがある人も多いでしょう。ドライブレコーダーはこれらの抑止力になるとも考えられています。
これらの流れを見ていくと、将来的には自家用車へのドライブレコーダー設置も義務化されるかもしれません。
「ドライブレコーダーまではいらないのでは」と思っている人もいるかもしれませんが、必要性は年々高まっています。将来の義務化に向けて、ドライブレコーダーとはどのようなものかを把握しておく必要はあるといえるでしょう。
ドライブレコーダーにはいくつかの種類があります。録画方法・録画範囲・取り付け方式の切り口で、どのような種類に分けられるか見ていきましょう。
ドライブレコーダーは録画方法の違いによって、以下のように分類されます。
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録画方法 | 一般的な特徴 | |
---|---|---|
常時録画 | 走行中、停止中にかかわらず、エンジンをかけると自動的に映像が記録される。ACC(安全運転支援システム)起動中に記録されるものもある。録画できる時間はSDカードの容量によって異なる。 |
|
イベント録画 | 衝撃感知 タイプ |
自動車に衝撃が加わったとき(衝突、急ブレーキなど)に、その前後の映像が自動的に記録される。任意のタイミングで録画できるタイプのものもある。 |
動体検知 タイプ |
人や自動車の動きを検知すると記録を開始、動きが一定時間ない場合は自動で記録が停止する。不要な記録がされないため、SDカードの容量を無駄にしない。 |
|
静止画記録 | ドライブレコーダー本体スイッチを押すと静止画が記録される。 |
常時録画は、運転中はずっと録画されるので、事故前後の記録だけでなく、自分の運転特性を知ることにも役立ちます。イベント録画(衝撃感知タイプ・動体検知タイプ)は、事故や車上荒らしなど、車体に衝撃があった際に、事故前後の映像を常時録画とは別ファイルで保存します。
ドライブレコーダーによって、搭載している録画機能が異なりますので、自分にとってどの録画方法が必要か検討したうえで、必要な録画方法の機能があるドライブレコーダーを選ぶとよいでしょう。
録画範囲の違いによって、以下のタイプに分類できます。
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種類 | 特徴 |
---|---|
前後2カメラタイプ |
自動車の前方と後方に、それぞれ別のカメラを設置するタイプ。 |
360°カメラタイプ |
自動車前方に設置する1つのカメラで360°録画できるタイプ。 |
前方1カメラタイプ(フロントカメラタイプ) |
自動車の前方のみを録画できるタイプ。 |
前後2カメラタイプは近年の主流で、前方のみならず後方も録画できるので、あおり運転や追突事故の記録にも役立ちます。360°カメラタイプは、後方はうまく映りませんが、前後左右を録画できるため、バイクなどのすり抜けや幅寄せなどの記録もできます。前方1カメラタイプ(フロントタイプ)のカメラは最もシンプルなタイプで、前方の映像の録画のみに限られますが、そのぶん本体価格がリーズナブルで、取り付け方法も簡単なものが多いです。
ドライブレコーダーの取り付け方式には、以下の種類があります。
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種類 | 特徴 |
---|---|
一体型 |
カメラと録画を記録するレコーダーが一体化しているタイプ。設置の手間が少ない。 |
分離型 |
カメラとレコーダーが分離しているタイプ。設置場所の自由度が高い。 |
ルームミラー型 |
ルームミラーに設置するタイプ。前方の視界を遮りにくい。 |
一体型は、カメラとレコーダーが一つになっているため取り付けやすく、一般的に分離型よりも価格がリーズナブルです。分離型は、カメラ部分がコンパクトで視界を邪魔しにくく、レコーダー部分を操作しやすい位置に取り付けられます。ルームミラー型も視界を邪魔しにくいといった特徴があります。
最新のドライブレコーダーには、映像や音声の記録といったメイン機能のほかに、以下のような便利な機能を搭載しているものもあります。
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機能 | 特徴 |
---|---|
駐車監視機能(パーキングモード) |
エンジンを切っても録画できる機能。当て逃げや車上荒らしの抑止や証明に有効。 |
夜間機能(ナイトビジョンなど) |
夜間や暗い場所でもはっきりとした映像が確認できる。 |
安全運転支援機能 |
前方自動車との距離が接近したり車線をはみ出したりした際に警告音が鳴る。 |
GPS機能 |
正確な位置情報やスピードを記録できる。事故が起きた場所の特定などに有効。 |
モニター付き |
ドライブレコーダーにモニターが搭載されているタイプ。その場で記録した映像を確認できる。 |
逆光補正機能(WDR、HDR) |
白飛びや黒つぶれを補正できる機能。トンネルの出入り口など明暗の差が激しい場所での録画に有効。 |
どれも安全性や防犯性において便利な機能ですが、機能が多いほど価格も高くなる傾向にあります。それぞれの特徴を理解して、自分にとって本当に必要だと思う機能が搭載されているドライブレコーダーを選ぶとよいでしょう。
ここからは、ドライブレコーダーを設置する代表的なメリットについて見ていきましょう。
ドライブレコーダーは交通事故やあおり運転などのトラブルの際に、映像や音声で証拠を残せるといったメリットがあります。事故や被害当時の状況を、ドライバーや同乗者などの証言だけで証明するのは難しい場合がありますが、ドライブレコーダーの記録を提出できれば、事故の検証に役立つでしょう。
ドライブレコーダーを設置することは、あおり運転や車上荒らしなどを抑止する効果があります。ドライブレコーダーで音声や映像が記録されている自動車に対しては、悪質な行為を控える心理が働くからです。またドライブレコーダーの設置に加えて、「ドライブレコーダー録画中」のステッカーを貼って、設置をアピールすることも、抑止力の向上につながる場合もあります。
常時録画できるタイプのドライブレコーダーなら、自分自身の運転を記録できます。そのため、運転記録を確認することで自分の運転特性を知り、安全運転の意識を高められるという効果があります。
またドライブレコーダーの中には、事故が起こりやすい危険な運転をした際に、警告音などで知らせてくれるものもあります。
ご紹介したように、ドライブレコーダーを設置するメリットは非常に大きいのですが、多少のデメリットもあります。ストレスなくドライブレコーダーを利用できるよう、デメリットについても押さえておきましょう。
ドライブレコーダーは1万円〜2万円台で購入できるものもありますが、グレードを重視すると、5万円以上するものも珍しくありません。カー用品店や整備工場に持ち込んで取り付けてもらうための費用も数千円〜1万円ほどかかると考えておきましょう。
また、新車購入時に設置する純正品の場合、カー用品店で購入する場合よりさらに高額になることもあります。
このように、ドライブレコーダーの設置にはある程度費用がかかる点がデメリットといえます。
ドライブレコーダーを設置する場所によっては、視界に入り、運転の邪魔になることがあります。「運転席のフロントガラスを避け、ダッシュミラーやルームミラーの裏に設置する」「配線不要の商品を選ぶ」などの工夫が必要です。ちなみに、運転中の視界を遮るところに設置している場合、車検に通らない可能性もあります。
また、以下の点にも注意が必要です。
ドライブレコーダーを購入する際は、運転の邪魔にならないサイズなのか、どこに設置したら邪魔にならないか、というところまで検討することをおすすめします。
ドライブレコーダーは車内に設置した機械で車外の様子を録画し、車内の音声を録音します。事故やあおり運転などトラブルがあった際は録画した映像が証拠となるため、非常に頼りになるというメリットがありますが、常時録画型のドライブレコーダーの場合、車内の音声まで第三者に聞かれることになる点には注意が必要です。
常時録画型のドライブレコーダーによるプライバシーの漏えいが気になるという人は車内での会話の内容に気を付けましょう。会話の内容にまで気を使えない、という場合は衝撃を感知して録画を始めるタイプや動体検知タイプのドライブレコーダーを検討してください。
ドライブレコーダーから発せられる電磁波が車内のラジオやカーナビなど、ほかの車載機器に干渉し、ノイズを発生させることがあります。特に安価なドライブレコーダーは電磁波対策がされていないものが多いため注意してください。
電磁波の発生を避けたいのであれば、多少高価にはなりますが、電磁波対策された高品質の商品を選ぶことをおすすめします。
また、ドライブレコーダーの設置位置や配線の影響で電磁波の干渉が発生するケースもあります。設置をカーディーラーやカー用品店に依頼する場合は心配は不要ですが、自分で設置するのであれば、設置位置や配線に気を配る必要があります。
ドライブレコーダーは自動車のバッテリーを利用して作動しています。そのため、バッテリーに負荷がかかるというデメリットがあることも理解しておいてください。特に、常時録画タイプや駐車中にも監視を続ける「駐車監視機能付き」のドライブレコーダーはバッテリーへの負荷が大きくなります。最悪の場合、バッテリーが上がり、自動車を動かせなくなることもありますので気を付けてください。
バッテリーへの負荷を防ぎたいのであれば、電圧が低下したら自動車のバッテリーからの給電が自動的にストップする「電圧監視機能付きドライブレコーダー」を選ぶとよいでしょう。
録画方法・録画範囲・取り付け方法のほか、モニターの有無やカメラの性能、メーカーやブランドなどの違いによって、価格や性能は大きく変わってきます。どのようなドライブレコーダーを選べばよいか分からない人は、以下のポイントに着目してみましょう。
ほとんどの人が、交通事故など運転中の記録が目的で、ドライブレコーダーを設置されると思います。その場合は、カメラの死角になる部分が少ないタイプが向いています。車両事故に多い追突事故に備えて、前後を撮影できる「前後2カメラタイプ」や、広範囲を撮影できる「360°カメラタイプ」を選ぶとよいでしょう。
また事故当時の状況や相手のナンバーなどの情報をはっきり記録できるよう、高画質なカメラを選ぶことをおすすめします。夜間や暗いところでも鮮明に録画できるよう、ナイトモード搭載のものもおすすめです。
あおり運転の対策であれば、後方カメラが付いているタイプがおすすめです。後方車両のナンバープレートや運転者の顔も記録ができるので、あおり行為にあったときに被害の証明に役立ちます。
また当て逃げや車上荒らしなど駐車時のトラブル対策としては、駐車監視機能付きのタイプを選ぶとよいでしょう。被害時の状況が記録できるだけでなく、ドライブレコーダーで監視しているとアピールすることで、犯罪抑止効果も期待できます。
カメラが視界に入って運転の邪魔になる場合は、ルームミラー型の設置を検討しましょう。ルームミラー型は、もともと車内に付いているルームミラーと同じ形のドライブレコーダーです。ルームミラー型にはカメラとミラーが1つになった一体型と、カメラとミラーが分かれている分離型があります。一体型ならフロントガラスにカメラを別途設置する必要がないため、運転席からの視界を遮りにくい点がメリットです。
また、前述のとおり最新のドライブレコーダーは、機種によってさまざまな機能が搭載されていますが、高機能になるとその分価格も高くなる傾向にあります。そのため、予算や目的に合わせて、本当に必要な機能を選ぶことが大切です。最低限の機能として、できる限り広範囲を撮影、また夜間や暗いところでもはっきりと録画できる高画質の製品を選びましょう。
ドライブレコーダーには配線不要のモデルもあり、DIYで比較的簡単に取り付けられるものも少なくありません。一般的な取り付け手順をチェックしてみましょう。
以下は前後2カメラタイプの一般的な取り付け手順です。
ドライブレコーダーの種類によって取り付け手順は異なります。実際に取り付ける際は、取扱説明書などで必ず確認しながら進めてください。
前方カメラを運転の邪魔にならないようにするコツは、フロントガラスの上部20%以内に取り付けることです。さらに水滴によって画像が歪んだり、鮮明に映らなかったりすることがあるので、ワイパーの可動範囲内に取り付けることも大切です。
特に配線の多いドライブレコーダーは、取り付け位置を誤ると、車載機器への干渉、車検に通らないといったデメリットにつながることもあります。最悪の場合、ヒューズが飛ぶ、バッテリー上がりなどの原因にもなります。
自分で設置するのが不安なら、業者に依頼するという選択肢もあります。ドライブレコーダーの取り付け費用は本体価格とは別に、5,000円から4万円程度が目安です。一般的にフロントカメラタイプより、前後2カメラタイプのほうが取り付け費用は高くなる傾向にあります。
前述したように、ドライブレコーダーを購入、設置する際は数万円の費用がかかります。経済的な負担が心配という人もいるでしょう。
自治体によってはドライブレコーダー購入・設置の補助金制度があるところもありますので、お住まいの自治体を調べてみてはいかがでしょうか。以下で補助金を出している自治体を一部ご紹介します。
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自治体 | 対象者 | 補助内容 |
---|---|---|
福井県 | 県内在住の満65歳以上の人で2024年3月1日〜2025年2月28日に県内の販売・設置業者にて購入・設置した人
|
安全運転装置(※)の購入・設置費用を各1万円補助
|
静岡県藤枝市 | 藤枝市に住所を有する人 | 安全運転支援機能付きドライブレコーダーの購入および設置に必要な費用の2分の1以内を補助 (上限1万円。100円未満は切り捨て) |
常時録画タイプのドライブレコーダーの場合、上書きせずなるべく長い時間撮れるように、半日分(12時間)程度録画できるようにしておくとよいでしょう。
なお、ドライブレコーダーではナンバープレートまで鮮明に記録するため、フルHD画質で録画します。録画時間が長く、画質もよいものを記録するためには記録媒体(SDカード)の容量もそれなりに必要です。ドライブレコーダーが容量の大きいSDカードに対応しているかも確認してください。
ドライブレコーダーの映像はSDカードに記録します。映像の確認方法は主に以下の3つです。
ほかにも、アプリで確認する方法なども登場していますので、詳細はドライブレコーダーの説明書などをご確認ください。
SDカードリーダーやドライブレコーダー本体をTVとつなぐ方法があります。
SDカードをパソコンに挿入すれば見ることができます。パソコンにSDカードリーダーがついていない場合は、リーダーをつないでください。
ドライブレコーダー本体の画面で見る方法もあります。ただし、画面が非常に小さいため、詳細部分まで確認したい場合はTVやパソコンで見ることをおすすめします。
「駐車監視機能」がついたドライブレコーダーはエンジンが止まっている時も録画されます。その際の電源は自動車のバッテリーから取るため、バッテリーの劣化やバッテリー上がりが懸念点です。「電圧監視機能付きドライブレコーダー」を選択し、バッテリー上がりを防止するとよいでしょう。
ドライブレコーダーには事故処理の迅速化や危険運転・犯罪の抑止のほか、安全運転のサポートなどの役割があります。交通事故やトラブルが起きた時の状況を鮮明に記録するためには、死角が少なく広範囲に撮影が可能で、夜間でも鮮明に録画できる機種を選びましょう。
ドライブレコーダーにはさまざまなタイプがあり、機能によって価格も変わってくるため、予算や目的にあった商品を選ぶことも大切です。
執筆年月日:2022年11月20日
(最終更新日:2024年7月29日)
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