子どもが18歳になり運転免許を取得したら、早速車を運転してみたい!ということになるでしょう。子どもは免許取りたてで経験も浅い、新米ドライバーとなります。
いざという時にきちんと補償がされるよう、このタイミングで自動車保険を見直しておくと安心です。
このコラムでは、具体的な見直しのポイントを、さまざまなケースごとに解説していきます。
*本コラムは、SBI損保の自動車保険にご加入の場合のお手続きのご説明となります。保険会社によって、区分や特約の名称は異なる場合がありますので、お手続きにあたっては必ずご加入中の保険会社にご確認ください。
目次
子どもが免許を取得した場合に確認すべきこと
子どもが免許を取ったあと、親の車を運転する場合には、自動車保険の補償内容の確認が必要です。もし「運転者範囲」と「運転者の年齢条件」に子どもが対象となっていない場合は、変更しましょう。なぜなら、万が一子どもが補償の対象となっていない車を運転して事故を起こした場合、補償を受けられないからです。
たとえば、45歳の夫婦が自家用車を保有している場合、一般的に「運転者範囲」は夫婦のみとなるため、「運転者の年齢条件」は「26歳以上」に設定していることが多いでしょう。これは、運転者範囲や年齢条件を限定したほうが保険料としては安く済むからです。しかし、補償となる対象条件の見直しをしないと26歳以下の子どもは補償内容の対象外となってしまいます。これを防ぐためにも「運転者範囲」のなかに子どもを加えたうえで、「運転者の年齢条件」も変更することが必要です。
親から車を譲り受ける場合や子どもの車を新たに購入する場合でも、自動車保険の見直しは重要です。ご自身の状況に合わせて見直しのポイントを確認してみてください。
1.親の車をたまに運転する場合
まずは、子どもが親の車をたまに運転するケースです。あくまでも車をメインで運転するのは親のままです。この場合、現在ご加入中の自動車保険の
「運転者限定」と「年齢条件」
の見直しが必要となります。
さらに、子どもが親(=メインドライバーまたはその配偶者)と同居か別居かで、設定方法が変わってきます。
1.子どもが親(メインドライバーまたはその配偶者)と同居
この場合、「運転者限定」と「年齢条件」を見直して、補償される運転者の範囲に子どもが含まれるようにする必要があります。
まず「運転者限定」の設定です。同居の子どもを補償の対象とできるのは「家族限定」もしくは「限定なし」のいずれかとなります。これまで「本人限定」もしくは「本人・配偶者限定」運転していて、「同居の子ども」が新たに追加になるのみであれば「家族限定」を設定するのがよいでしょう。
つづいて「年齢条件」の設定です。こちらは、追加となる子どもの年齢に合わせましょう。18歳から20歳なら「年齢を問わず補償」、21歳から25歳なら「21歳以上補償」、26歳以上であれば「26歳以上補償」と設定してください。
なお、メインドライバーが単身赴任で一人暮らし、離れて暮らしている配偶者と同居している子どもが新たに運転する場合も同様の考え方となります。
2.子どもが親(メインドライバーまたはその配偶者)と別居
進学や就職などを機に、普段親元から離れて暮らしている子どもが、たまに親の車を運転する場合はどうなるでしょう?
このケースでは「運転者限定」のみ見直せばOKです。「家族限定」もしくは「限定なし」のいずれかに設定しましょう。
ここで一点注意が必要です。別居の子どもに婚姻歴がある場合、自動車保険では「家族」に含まれません。こういった場合は「限定なし」でのみ、子どもを補償の対象とすることができます。
そして「年齢条件」に関しては、別居の子どもの年齢を考慮して設定する必要はありません。年齢条件は、あくまでも
- (1)メインドライバー
- (2)その配偶者
- (3)同居している親族
- (1)〜(3)のいずれかの方が営む事業の業務(家事を除く)に従事中の従業員
にのみ適用されます。よって、別居の場合は年齢に関係なく補償の対象となるのです。
3.子どもの婚約者・配偶者もたまに運転する場合
子どもの婚約者や、配偶者がたまに自家用車を運転する場合、運転者の範囲と保険料はどのように変わるのでしょうか。大切なポイントは「同居しているかどうか」です。自動車保険の運転者範囲は、以下の4つです。
- (1)本人限定
- (2)本人・配偶者限定
- (3)ご家族限定
- (4)限定なし
一般的に、保険料は(1)<(2)<(3)<(4)の順に高くなります。そのため、支払う保険料を安くしたい場合は、「限定なし」よりも「家族限定」にしておきたいところです。しかし、「家族限定」とは家族のどこまでが含まれているのでしょうか。
まず、記名被保険者である親と子どもの配偶者が同居している場合は、家族に含まれます。そのため、運転者範囲は「家族限定」にしてよいでしょう。しかし別居している場合、子どもの配偶者は家族に含まれないため、運転者範囲は「限定なし」とする必要があります。
次に、子どもの婚約者の場合、法的にはまだ親族ではありません。しかし、すでに内縁関係であり、記名被保険者である親と子どもの婚約者が同居している場合、配偶者として「家族限定」の補償対象に含むとみなされる場合もあります。なお婚約者が同居していない場合は、「限定なし」とします。
4.子どもがたまにしか運転しないのであれば、1日保険の活用も
SBI損保ではお取扱いしていませんが、親の保険の設定はそのままにしておき、子どもが運転する時だけ「1日保険」に加入するという方法もあります。
親の自動車保険の契約内容は変更せずに、子どもが運転中の事故について1日単位で補償ができるので、保険料を節約できる場合があります。ただし、契約できる日数に制限があるので、子どもの運転頻度が高いのであれば、親の自動車保険の補償の範囲に含めたほうがよいでしょう。
また、1日保険は「自家用普通乗用車」「自家用小型乗用車」「自家用軽四輪乗用車」のみが対象であることが多いようなので、「自家用小型貨物車」や「自家用軽四輪貨物車」の場合は親の自動車保険で対応しましょう。
*詳しくは取扱い保険会社へ直接ご確認ください。
2.親から車を譲り受ける場合
ここまでは「親の車を子どもがたまに運転」を前提としたお話でした。
ですが、免許取得をきっかけに、子どもが親の車を譲ってもらい、親は別の車を購入する、ということもあるでしょう。
その場合、車の保険については、以下のような選択肢があります。
- ・親の加入していた保険を子どもへ譲る(記名被保険者を親→子へ変更)
- ・子どもが新規で保険に加入する
それでは、それぞれに必要なお手続きと、加入する際のポイントを解説します。
1.親の加入していた保険を子どもへ譲る(記名被保険者を親→子へ変更)
親が加入していた保険のノンフリート等級が7等級以上の場合、その等級を引き継ぐことが可能なので、年齢が若い子どもでも保険料を抑えることができるメリットがあります(ただし、等級の引き継ぎは親子が同居している場合のみに限りますので、ご注意ください)。また、親は別の車を購入した場合、あらためて保険に新規加入する必要があります。
【契約中の自動車保険で必要になる主なお手続き】
- ・記名被保険者(メインドライバー)の変更:親→子どもへ(※保険料を子どもが支払う場合は、契約者も親→子へ変更)
- ・車両所有者の変更:親→子どもへ(※車を譲渡する場合のみ)
- ・運転者限定、年齢条件の見直し
- ・使用目的の見直し
- ・補償内容・特約の見直し(※ただし、保険期間の途中で車両保険・車内外身の回り品補償特約をなし→ありへ変更は不可)
【親があらためて保険に加入する際のポイント】
- ・中断証明書を持っている場合は、その等級を使用しましょう。通常の6S等級からスタートするより、保険料が安くなります。
- ・子どもに譲った契約も含め、同居の親族のなかで11等級以上の自動車保険があるかどうか確認しましょう。この場合、7S等級からスタートできるので、こちらも通常の6S等級からスタートするより、保険料が安くなります。
- ・子どもに譲った保険の内容を確認し、補償が重複しないように加入しましょう。重複を避けることで、保険料が節約できます。
2.子どもが新規で保険に加入する
親が子どもに対して「車は譲ってあげるけど、保険は自分で加入しなさい」という場合はこちらになります。また、親と子どもが別居している場合は、このお手続きしかできません。
【契約中の自動車保険で必要になる主なお手続き】
- ・車両入替:子どもに譲る車→新たに購入する車
- ・運転者限定、年齢条件の見直し(今までと運転者が変わる場合)
- ・補償内容・特約の見直し(※ただし、保険期間の途中で車内外身の回り品補償特約をなし→ありへ変更は不可)
【子どもが新たに保険に加入する際のポイント】
- ・中断証明書を持っている場合は、その等級を使用しましょう。通常の6S等級からスタートするより、保険料が安くなります。
- ・親の契約も含め、同居の親族のなかで11等級以上の自動車保険があるかどうか確認しましょう。この場合、7S等級からスタートできるので、こちらも通常の6S等級からスタートするより、保険料が安くなります。
- ・親の保険を確認し、補償が重複しないように加入しましょう。重複を避けることで、保険料が節約できます。
3.子どもの車を新たに購入する場合
免許を取ったばかりの子どもは、経験の浅い新米ドライバー。こすったりぶつけたりする可能性も高いので、リーズナブルな中古車を購入して乗る、というケースも多いでしょう。もしくは、免許を取ったお祝いとして、親から車をプレゼントしてもらう、ということもあるかもしれません。
そのような場合も、親と子どもが同居しているなら、親の自動車保険のノンフリート等級を子どもに譲ることができますし、もちろん子どもが新規で保険をかけるということもできます。
1.親の加入していた保険を子どもへ譲る(記名被保険者を親→子へ変更)
【契約中の自動車保険で必要になる主なお手続き】
- ・記名被保険者(メインドライバー)の変更:親→子どもへ
- ・車両入替:現在契約中の車→新たに購入する車
- ・運転者限定、年齢条件の見直し
- ・使用目的の見直し
- ・補償内容・特約の見直し(※ただし、保険期間の途中で車両保険・車内外身の回り品補償特約をなし→ありへ変更は不可)
【親があらためて保険に入る契約のポイント】
- ・中断証明書を持っている場合は、その等級を使用しましょう。通常の6S等級からスタートするより、保険料が安くなります。
- ・子どもに譲った契約も含め、同居の親族のなかで11等級以上の自動車保険があるかどうか確認しましょう。この場合、7S等級からスタートできるので、こちらも通常の6S等級からスタートするより、保険料が安くなります。
- ・子どもの保険を確認し、補償が重複しないように加入しましょう。重複を避けることで、保険料が節約できます。
2.子どもが新規で保険に加入する
【親の自動車保険】
- ・特に運転者が変わらないのであればお手続き不要
【子どもが新たに保険に入る契約のポイント】
- ・中断証明書を持っている場合は、その等級を使用しましょう。通常の6S等級からスタートするより、保険料が安くなります。
- ・親の契約も含め、同居の親族のなかで11等級以上の自動車保険があるかどうか確認しましょう。この場合、7S等級からスタートできるので、こちらも通常の6S等級からスタートするより、保険料が安くなります。
- ・親の保険を確認し、補償が重複しないように加入しましょう。重複を避けることで、保険料が節約できます。
【番外】別居の子どもに等級継承ができる場合
ここまで、子どもにノンフリート等級を譲ることができるのは、同居の場合のみ、とお話してきました。
ですが、一定の条件を満たせば、別居している子どもにノンフリート等級を譲ることができます。
その条件とは、「保険期間の初日以降に、同居の期間があった場合」です。保険始期日以前から別居していて、現在に至るまでずっと別居という場合は、当然ノンフリート等級の引き継ぎはできません。しかし、別居となったのが保険始期日以降の場合、「記名被保険者変更に関する等級継承期間の延長特則」というものを適用し、ノンフリート等級を引き継ぐことができます。ただし、保険始期日以降、同一住所にお住まいになっていた事実が客観的に確認できる公的資料の写しをご提出いただくことが必要です。このような場合、インターネット上でのお手続きはできません。SBI損保サポートデスクまで、お電話にてご連絡ください。
*他社の満期をもって保険を切り替える場合はインターネットからのお手続きが可能です。またノンフリート等級を引き継げるかどうかは所定の条件がございますので、念のためご契約前に必ずお電話にてお問い合わせください。
子どもが免許を取ったら
自動車保険の補償内容を見直そう
車両保険について
親の車を子どもが運転する際の心配ごととして、「今まで車両保険に入っていなかったけれど、子どもも運転するなら車両保険をつけておかないとちょっと怖いな」というものがあります。
ですが車両保険は、車両の入替を伴わない限り、保険期間の途中で追加(“なし”から“あり”への変更)ができません。
そのため、子どもが家の車を運転する可能性がでてきたら、更新のタイミングで車両保険をセットしておくことをおすすめします。
なお、もともと車両保険をセットしている場合は、車両保険の種類を期間中に変更することは可能です。この場合、子どもが運転するようになるまでは「車対車+限定A」タイプをセットして保険料を節約しておき、子どもが運転するようになるタイミングで「一般車両」タイプに変更するということもできます。
年齢条件について
自動車保険は、対象となる年齢によって支払う保険料が異なるのが特徴です。
運転者の年齢条件は、以下のように補償を受けたい運転者の年齢によって設定することが可能です。
- ・21歳以上
- ・26歳以上
- ・年齢を問わず補償(年齢条件は保険会社によって異なります)
たとえば、40歳と38歳の夫婦しか自家用車に乗らない場合、運転者の年齢条件は「年齢を問わず補償」よりも「26歳以上限定」に設定するほうが支払う保険料は安くなります。ただし、18歳の子どもが免許を取ったあとは、割高になったとしても「年齢制限なし」に変更することが必要でしょう。
なぜなら、「26歳以上限定」では18歳の子どもが対象となる自動車を運転した場合、補償を受けられないからです。ちなみに、運転者の年齢条件の区分は保険会社によって設定が異なりますが、年齢条件を限定するほど保険料は割り引かれます。
おすすめの特約
まだ運転に慣れていない子どもが苦戦するものは・・・ズバリ、車庫入れではないでしょうか。
月極駐車場を借りて駐車する、ということであれば、もし車庫入れに失敗して駐車場の一部を破損してしまった場合でも、対物賠償保険で修理費を補償することができます。しかし、駐車場が自宅の車庫の場合、車庫入れに失敗して自宅一部に破損が生じても対物賠償保険では補償されません。対物賠償保険はあくまでも「他人」の物に対する補償のため、自分や家族の所有物を破損してしまった場合は使えないことが多いのです。
このような場合に備えておすすめの特約が「自宅・車庫等修理費用補償特約」です。
車庫入れに失敗し、自分や家族が所有している住宅・車庫を壊してしまった場合、その修理費用を30万円を限度に補償できる特約です。(※この特約では、記名被保険者の方、または運転者本人、その父母、配偶者もしくは子が所有、使用または管理する建物・車庫が補償の対象です。)
なお、この特約は「車両保険」がセットされている場合にのみセットできる特約です。そのため、先述のとおり、子どもが家の車を運転する可能性がでてきたら、車両保険やこの特約がいずれ必要になる可能性をふまえ、契約更新するタイミングで車両保険をつけておくことをおすすめします。(※車両保険さえついていれば、特約単体では保険期間の途中で追加することはできます。)
まとめ
子どもが免許を取得し車を運転することになったら、親として子どもの成長がうれしくなる半面、心配ごとも増えるでしょう。うっかり補償範囲や補償内容が不足していた!ということにならないよう、自動車保険についてもしっかり考えていきましょう。
執筆年月:2020年3月
(最終更新日:2024年2月5日)
執筆:Y.M
カスタマーサービス統括本部 コンタクトセンター第一部(執筆当時)
社会人になるまでは自動車保険とはほとんど縁のない生活を送っていたが、2008年11月、SBI損保サポートデスクのコールセンターオペレーターとして入社し、自動車保険に出会う。損保の奥深さに魅かれ、経験を積み、現在はマネージャーとしてサポートデスクの運営を支えている。
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2024年1月 23-0513-12-001