日常生活には、思わぬトラブルが起きるリスクがあります。たとえば、子どもが他人のものを壊してしまったり、自転車で人にけがをさせてしまったりした場合、損害賠償責任を負う可能性があります。
そのようなとき、自動車保険に付けることができる日常生活賠償特約に加入していれば、賠償金などを補償してもらえるため、安心して日常を送ることができるでしょう。
本記事では、日常生活賠償特約の概要と補償対象のほか、具体的な補償されるケース・されないケースについて解説します。日常生活賠償特約のメリットや注意点についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
なお、SBI損保では日常生活賠償特約に該当する特約を「個人賠償責任危険補償特約」として提供していますが、基本的な補償内容に大きな違いはありません。
目次
日常生活賠償特約は、日常生活の事故による賠償金を補償する損害保険の特約のこと
日常生活賠償特約は、日常生活の事故で他人に損害を与えてしまい、損害賠償責任が発生した場合に賠償金などを補償してくれる、損害保険の特約です。主に、日本国内で発生した事故が対象となりますが、保険会社によっては海外で発生した日常生活の事故による損害賠償責任の賠償金も補償できるケースがあります。
日常生活賠償特約は、自転車で他人にぶつかってけがをさせてしまった場合などに役立ちます。自転車通学中の事故が多いことなどから、自治体では日常生活賠償特約や自転車保険への加入を呼びかけているケースが少なくありません。
また、近年では自転車事故による高額な損害賠償事例が増えています。特に子どもがいる家庭では、日常生活賠償特約で備えておくと安心です。
日常生活賠償特約は、自動車保険のほか、火災保険や傷害保険にも付けることができます。なお、保険会社によって名称が異なることがあり、「個人賠償特約」としている保険会社もあります。
日常生活賠償特約の補償の対象となる方
日常生活賠償特約を付けるか検討する場合は、誰が補償対象となるかを正しく理解する必要があります。日常生活賠償特約の補償の対象となる方は、主に下記のとおりです。
＜日常生活賠償特約の補償の対象となる方＞
- ・記名被保険者（保険契約者）
- ・記名被保険者の配偶者
- ・記名被保険者またはその配偶者と同居している親族
- ・記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
なお、「記名被保険者またはその配偶者の親族」であっても、別居している場合は未婚の子を除いて補償対象外となる点に注意が必要です。
このように、特約の補償範囲は家族単位で広く設計されていますが、対象外となるケースもあるため、契約時にはしっかりと補償範囲を確認しましょう。なお、親族とは6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族のことを指します。
日常生活賠償特約で補償されるケース
日常生活賠償特約では、日常生活で誰にでも起こりうる偶然の事故の賠償金を補償できます。日常生活賠償特約で補償されるケースは、主に下記のとおりです。
＜日常生活賠償特約で補償される主なケース＞
- ・お店の商品を誤って落として壊した
- ・自転車で通行人にぶつかり、けがをさせた
- ・リードを離してしまい、飼っている犬が通行人にけがをさせた
- ・洗濯機の水漏れで下の階の部屋に被害を与えた
このように、日常生活賠償特約は、自宅内外で起こる幅広い事故に対応できます。
予期せぬ賠償責任が発生しても経済的な負担を大きく軽減できるため、子どもやペットがいる家庭では、安心して暮らすための備えとして有効といえるでしょう。
日常生活賠償特約で補償されないケース
前述のとおり、日常生活賠償特約はさまざまな事故による賠償金を補償できますが、補償されないケースもあります。
主に下記のようなケースでは日常生活賠償特約の補償対象外となるため、契約前にしっかり確認することが大切です。
日常生活賠償特約で補償されない主なケース
- ・故意に他人にけがをさせた
- ・子どもがふざけていて兄弟をけがさせた
- ・原動機付自転車を運転して他人をけがさせた
- ・仕事など、日常生活ではない場面で損害賠償が生じた
- ・地震、噴火、津波などの自然災害で損害が生じた
日常生活賠償特約を検討する際は、上記のような補償対象外のケースもしっかりと理解し、必要に応じてほかの保険商品との併用も視野に入れましょう。
なお、上記の補償されない主なケースは、ほかの保険や特約によっては補償されることがあるため、詳細は保険や特約の補償内容を確認してください。
日常生活賠償特約のメリット
自動車保険に日常生活賠償特約を付けると、さまざまなメリットがあります。主なメリットは下記のとおりです。
安心して日常生活を送れる
安心して日常生活を送れるようになるのは、日常生活賠償特約を付けるメリットの1つです。
日常生活では、思いがけないトラブルによって他人に損害を与えてしまう可能性があります。これにより、損害賠償責任を負った際には、賠償金を支払わなくてはならない場合があります。
日常生活賠償特約を付けていれば、高額の賠償責任を負ったとしても保険で対応できるため、精神的にも経済的にも安心です。実際にどの程度の賠償責任に対応できるかを把握しておくため、賠償限度額を確認しておきましょう。
子どもやペットのトラブルを補償できる
日常生活賠償特約を付けると、子どもやペットのトラブルによる賠償金を補償できます。
子どもが小さいと、遊んでいて友達にけがをさせてしまったり、他人の家の窓ガラスを割ってしまったりすることがあるかもしれません。また、犬を飼っていれば、不注意でリードを離してしまい通行人に噛みついてけがを負わせてしまうリスクがあります。
これらにより損害賠償責任が生じると、賠償金の負担が発生しますが、日常生活賠償特約を付けていれば、一部またはすべてを補償できます。
保険金を受け取っても自動車保険の等級に影響しない
自動車保険に付けた日常生活賠償特約を使って賠償金を補償しても、自動車保険の翌年度の等級には影響しません。
自動車保険のノンフリート等級とは、保険契約者の前契約の事故回数、事故内容によって、保険料の割増・割引が適用される制度のことです。自動車事故を起こして自動車保険を使うと翌年度の等級が下がり、翌年度の保険料が高くなることがありますが、日常生活賠償特約を使っても、自動車保険の翌年度の等級には影響しません。
等級への影響を心配せずに安心して補償を受けられる点は、日常生活賠償特約の大きなメリットです。
日常生活賠償特約の注意点
前述のとおり、日常生活賠償特約にはさまざまなメリットがありますが、いくつか注意したい点もあります。主な注意点は下記のとおりです。
補償が重複する可能性がある
日常生活で起きた事故による損害賠償の賠償金を補償できる保険にすでに加入している場合、自動車保険に日常生活賠償特約を付けると、補償が重複する可能性があるため注意が必要です。
たとえば、火災保険や傷害保険などで、すでに日常生活の事故による損害賠償の賠償金を補償できる保険に加入している場合、自動車保険にも日常生活賠償特約を付けると、補償内容が重複します。この場合、複数の保険に加入していても、実際の損害賠償額以上の保険金が支払われることはありません。
自動車保険に日常生活賠償特約を付ける場合は、同様の補償を受けられる保険に加入していないかを確認しておくことが大切です。
自動車保険や火災保険を乗り換えたら、あらためて付けることを忘れない
自動車保険を乗り換えた際には、日常生活賠償特約をあらためて付けることを忘れないようにしましょう。
自動車保険を乗り換えた後に日常生活賠償特約を付け忘れてしまうと、日常生活の事故による賠償金が補償されないため注意が必要です。
日常のトラブルで多額の賠償義務を負うのが不安なら、日常生活賠償特約を付帯しよう
日常生活賠償特約は、日常生活の事故で生じた損害賠償責任の賠償金を補償してくれる特約です。日常生活には、さまざまな事故・トラブルが発生するリスクがありますが、自分自身だけでなく、配偶者や同居の家族、別居中の未婚の子どもが損害賠償責任を負った場合なども補償対象になっているため、家族全員の安心を守る手段として有効です。
日常生活賠償特約は、SBI損保では「個人賠償責任危険補償特約」という特約名で提供しています。日常生活のトラブルによる損害賠償が不安なら、自動車保険に個人賠償責任危険補償特約を付けることを検討してみてはいかがでしょうか。
SBI損保の自動車保険は、リーズナブルな保険料に加え、インターネットからの新規加入で証券不発行の場合、保険料が14,500円割引となります（※1）。また、基本的な補償に加えて、業界最高水準（※2）のロードサービスが無料で付帯しています。保険料の無料見積りが可能ですので、こちらからお見積りください。
- ※1①インターネット割引（14,000円）②証券不発行割引（500円）を適用した場合の割引額です。
月払の場合は年間14,520円（①14,040円②480円）となります。 - ※22025年7月SBI損保調べ。各社の比較表はこちら
執筆年月日：2025年8月28日
