年齢が上がるにつれがんの罹患率も上昇
家族の保険も確認してみましょう
がんの罹患率・死亡率ともに、年齢が上がるとともに上昇することをご存じですか?全部位合計のがんの罹患率は、女性の30代後半から50代前半にかけては男性より高いものの、50代後半で逆転します。そして、男女とも50代くらいから増加し始め、高齢になるほど高くなります。特に、60歳代に入ると、男性の罹患率がグッと上昇します。一方、がんの死亡率は、男女とも60代から増え始め、高齢になるほど高くなります。60代以降は、男性が女性より高いのが顕著に見て取れます(※1、※2)。
そのような公式のデータを目のあたりにすると、罹患率・死亡率ともに上昇し始める50代・60代以上の人は「ギクッ!」としたのでは?そして、ご自身だけでなく、ご両親のことも心配になった人も多いでしょう。
晩婚・晩産の昨今、50代はまだまだ子どもにお金がかかる年代。がんにかかったときの治療費用を貯蓄から取り崩すのは厳しいと思われます。そして、70代から80代の親世代は、貯蓄はあってもがんの治療費用で取り崩すと老後資金不足を招くかもしれません。治療法にもよりますが、今のがん治療はけっこう高額で、先進医療を受けると自己負担は大きくなりますから。それに、治療が長引くことがあり、継続的に治療費用がかかり続ける可能性大です。やはり、がんの治療費用はがん保険で準備しておきたいもの。
そこで、気になるのは、何歳までがん保険に入れるかです。50代は健康状態などに問題がなければ入れますが、親世代はどうでしょうか?保険には、加入可能年齢があり、がん保険の加入上限年齢は69歳・74歳・75歳・80歳など、保険会社で異なります。親世代でも加入できるがん保険があるということですね。がん保険に入っていないご両親(もちろん、皆さん自身も)がいたら、入るようアドバイスしてあげましょう。一般的に年齢が高いと保険料も高くなりますが、診断給付金の保障を外して、治療費用だけに備えて保険料を安くする手もあります。
ご両親や、皆さん自身が何らかの保険に加入していたら、保障内容をチェックしましょう。加入時期が5年から6年以上前の場合、入院保障とがん保障が古く、今の医療事情にマッチしていない可能性があります。これでは、ホントに必要なときに役に立ちませんからね。
意外な飲み物ががんの罹患リスクを高める!?
さて、人は年齢を重ねると食生活に気を配るようになります。若いころと比べると血圧が上がったり、血糖値が上がったりなど生活習慣病が気になるからです。がんも生活習慣病の1つなので、食物によって罹患リスクを上げたり下げたりするモノがあります。「日本人のためのがん予防法(国立がん研究センターがん対策情報センター)」によると、がん罹患リスクを上げる可能性大なモノの中に、少し気になるモノがありました。食道がんの罹患リスクを上げる可能性が大きいマテ茶、前立線がんの罹患リスクを上げる可能性の大きい食事からのカルシウムです。マテ茶は「飲むサラダ」と言われているほど栄養価が高い飲料ですが、飲み過ぎは要注意ということですね。そして、食事からのカルシウムのとり過ぎも気をつけないといけないようです。
一方、罹患リスクを下げる可能性が大きい食物があり、食道がんでは食物に含まれるβ−カロテン、ビタミンC、前立腺がんでは同じく食物に含まれるリコピン、セレンです。これらは、野菜に多く含まれています。
がん罹患リスクを上げる食物は控え目にし、リスクを下げる食物をとるように心がけましょう。
食生活の配慮とがん保険加入――がんにかかりにくくし、かかったときのお金に備える有効な方法です。
- ※1〔出所〕地域がん登録全国推計によるがん罹患データ(2010年)<国立がん研究センターがん対策情報センター>
- ※2〔出所〕人口動態統計によるがん死亡データ(2013年)<厚生労働省>
食事からがん予防!
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