Step 4. 自由診療により広がるがん治療の選択肢

がんの治療は、同じ治療法でも発症するがんの部位によって公的医療保険の適用範囲が異なるため、自由診療となるケースがあります。ここでは、網羅的がん遺伝子検査で最適な治療薬の選択が期待できるがんゲノム医療と、自由診療となる内視鏡手術支援ロボット(ダビンチ)についてご紹介します。

がん遺伝子検査で最適な治療薬を選択できる
「がんゲノム医療」

がんゲノム医療とは

がんゲノム医療とは、がん患者の遺伝子を網羅的に調べて、患者個人の遺伝子変異に合わせた最適な治療薬の選択を可能にする新しい医療のことです。従来は、がんの種類別に抗がん剤を選択していた点が大きく異なります。

がんゲノム医療の流れ(イメージ)

がんゲノム医療の流れ(イメージ)
がんゲノム医療の流れ(イメージ)

網羅的がん遺伝子検査の例

調査機関とSBI損保の調査をもとに作成(2018年3月現在)
  実施医療機関 検査名 検査費用
先進医療※ 国立がん研究センター中央病院 NCCオンコパネル 664,000円
自費診療 北海道大学病院 オンコプライム 1,014,774円
千葉大学医学部附属病院 1,012,500円
信州大学医学部附属病院 1,047,000円
京都大学医学部附属病院 883,980円
岡山大学病院 1,017,000円
東北大学病院 MSK-IMPACT 566,280円
順天堂大学医学部附属
順天堂医院
615,780円
横浜市立大学附属病院 607,416円
北海道大学病院 クラーク検査 S 424,867円
L 648,754円
  • NCCオンコパネル検査は、2018年4月1日から先進医療。

健康保険が適用されない未承認薬・適応外薬の現状

今後、ゲノム医療が発展していくにしたがって、治療薬が見つかる割合がより高くなることが期待されています。
米国か欧州で承認されたもののうち、日本では健康保険が適用されない未承認薬・適応外薬は2020年4月現在、89品目の未承認薬、60品目の適用外薬があります。

米国か欧州で承認され日本未承認または適応外であるがん領域の医薬品数

「米国か欧州で承認され日本未承認または適応外であるがん領域の医薬品数
  • [出典]国立がん研究センター「国内で薬事法上未承認・適応外である医薬品について」

自費診療となる抗がん剤例

調査機関とSBI損保の調査をもとに作成(2020年7月現在)

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No. 一般名
(薬剤商品名の例)
対象となる
がんの種類
欧米における状況等 国内における
未承認/適応外
承認※1 ガイドライン掲載※2
1 アカラブルチニブ
(CALQUENCE)
マントル細胞リンパ腫 未承認
2 アテゾリズマブ
(テセントリク)
尿路上皮がん 適応外
3 アルペリシブ
(PIQRAY)
乳がん 未承認
4 イデラリシブ
(ZYDELIG)
慢性リンパ性白血病 等 未承認
5 イピリムマブ
(ヤーボイ)
肝細胞がん
(ニボルマブとの併用)
適応外
6 エナシデニブメシル酸塩
(IDHIFA)
急性骨髄性白血病 未承認
7 エルダフィチニブ
(BALVERSA)
尿路上皮がん 未承認
8 オマセタキシンメペスクシナート
(SYNRIBO)
慢性骨髄性白血病 未承認
9 オラパリブ
(リムパーザ)
膵がん 適応外
10 カボザンチニブリンゴ酸塩
(COMETRIQ)
甲状腺髄様がん 適応外
11 コパンリシブ
(ALIQOPA)
濾胞性リンパ腫 未承認
12 コビメチニブフマル酸塩
(COTELLIC)
悪性黒色腫 未承認
13 ソニデギブリン酸塩
(ODOMZO)
基底細胞がん〔皮膚がんの一種〕 未承認
14 タラゾパリブトシル酸塩
(TALZENNA)
乳がん 未承認
15 ニボルマブ
(オプジーボ)
肝細胞がん
(単独またはイピリムマブとの併用)
適応外
16 ニボルマブ
(オプジーボ)
小細胞肺がん 適応外
17 ニラパリブ
(ZEJULA)
卵巣がん 等 未承認
18 ネラチニブマレイン酸塩
(NERLYNX)
乳がん 未承認
19 ビスモデギブ
(ERIVEDGE)
基底細胞がん〔皮膚がんの一種〕 未承認
20 ブリグチニブ
(ALUNBRIG)
非小細胞肺がん 未承認
21 ベネトクラクス
(ベネクレクスタ)
急性骨髄性白血病
(アザシチジン、デシタビンまたは低用量シタラビンとの併用)
適応外
22 ペムブロリズマブ
(キイトルーダ)
小細胞肺がん 適応外
23 ペムブロリズマブ
(キイトルーダ)
子宮頸がん 適応外
24 ベリノスタット
(BELEODAQ)
末梢性T細胞リンパ腫 未承認
25 ミドスタウリン
(RYDAPT)
急性骨髄性白血病 等 未承認
26 モキセツモマブパスードトクス
(LUMOXITI)
有毛細胞白血病 未承認
27 ラロトレクチニブ硫酸塩
(VITRAKVI)
NTRK融合遺伝子を有する固形がん 未承認
28 リボシクリブコハク酸塩
(KISQALI)
乳がん 未承認
29 ルカパリブカンシル酸塩
(RUBRACA)
卵巣がん 未承認
30 レンバチニブメシル酸塩
(レンビマ)
腎細胞がん
(エベロリムスとの併用)
適応外

2020年7月1日時点

  • ※1
    米国FDAまたは欧州EMA
  • ※2
    米国のNCCNまたはNCI診療ガイドライン

医師110名のうち、8割の医師が「自由診療も補償するがん保険」の加入で最善の治療が可能になると回答!

Q.
患者さまが自由診療をカバーする保険に加入されていた場合、患者さまの経済的負担を考慮する必要がないことから、公的医療保険の診療範囲にこだわらず、最善の治療を行うことができると考えますか。

A.
8割の医師が推奨しやすいと回答

調査概要

  • 【調査標本】 
    エムスリー株式会社が運営するm3.comの会員医師
  • 【調査対象者】
    がん治療において、米国のNCI(米国国立がん研究所)やNCCN(全米総合癌センターネットワーク)等のがん診療ガイドラインを参考にしたことがあり、100床以上の病院に勤務する一般外科医110名
  • 【調査内容】 
    がん治療費、保険外診療(自由診療)及びがん保険に関する調査
  • 【調査手法】 
    インターネットでのアンケート調査
  • 【調査期間】 
    2024年10月

内視鏡手術支援ロボット(ダビンチ)による手術

ダビンチとは

ダビンチとは、アメリカで開発された、内視鏡手術を支援するロボットです。 術者はケーブルでつながったコンソール(操作台)に座り、画面の中に映し出される3D画像を見ながらアームを操り、患部の切除や縫合をします。日本では2009年に厚生労働省の薬事承認を取得し、2018年1月末現在、国内で213病院で導入されています。 ダビンチによる手術のメリットは、一般的に以下のようなものがあります。

  • (1)
    手ぶれ補正機能がある(コンピューターが微小な手ぶれを補正)
  • (2)
    人間の手と同等以上の可動域
  • (3)
    3次元立体画像で手術が可能
    ⇒手術による傷口が小さく出血量を抑えることができるため、術後の合併症を抑え、患者への負担を最小限にとどめることができます。

ダビンチを使用した手術イメージ

ダビンチを使用した手術イメージ

©Intuitive Surgical, Inc.

SBI損保のがん保険は自由診療も補償し、
お客さまが望む最先端の治療をサポートします。

ダビンチの日本での普及状況(2018年1月現在)

ダビンチの日本での普及状況(2018年1月現在)
  • SBI損保の調査をもとに作成(2018年1月現在)

では、このような自由診療によるがん治療を受けたくても、経済的な余裕がなかった場合、どうなるのでしょうか?

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2024年11月 24-0365-12-001