火災保険は住宅や家財を守る保険です

建物や家財を、火災や、台風や豪雨による水災などから守る火災保険。
しかし、ある特約を付帯することで、お住まいへの被害の有無を問わず日常生活の事故に備えることもできるのです。
そこで今回は、見落としがちな日常生活に潜む事故のリスクにも備えられる特約の中から「個人賠償責任危険補償特約」「携行品損害補償特約」「受託物賠償責任危険補償特約」の内容を紹介いたします。これらの特約は自動車保険などの補償と重複することもありますので、しっかりと内容を把握し、無駄なく加入しましょう。

目次

「個人賠償責任危険補償特約」とは

損害賠償額は高額になる場合もあります

「個人賠償責任危険補償特約」とは、お住まいの所有、使用または管理に起因する偶然の事故や、日常生活の中で起きた偶然の事故により、ご本人またはご家族が損害賠償責任を負った場合に、その賠償費用について支払限度額を上限に保険金が支払われるというものです。例えば「洗濯機のホースが外れて、水漏れを起こしてしまい、マンションの階下の住人の家財を破損してしまった」場合や、「ベランダから物を落としてしまい、それが通行人にあたり、ケガをさせてしまい治療費を払うことになった」場合など、自分の不注意や事故により、相手に損害を与えた場合に、その賠償費用について保険金が支払われます。

自転車事故も補償されます

ここまでは、「自分の不注意や事故により、相手に損害を与えた場合に弁償金や賠償額を補償する」例を紹介しました。一方、冒頭で述べたように「個人賠償責任危険補償特約」では、「自分の不注意や事故により、相手に損害を与えた場合」などお住まいに関係しない日常生活の事故でも補償されます。そのため、例えば自転車事故も補償の対象になります。

自転車事故には、相手に重度の障害を与えてしまい、結果として高額な損害賠償請求を受けた例が複数あります。

過去の高額賠償事例として、男子高校生が自転車で車道を斜めに横断した際、自転車で直進してきた男性会社員と衝突した事故がありました。この事故により、男性会社員に言語機能を喪失するなどの重い障害が残ってしまいました。これを受け、平成20年に東京地方裁判所は男子高校生に対して、9,266万円の損害賠償請求を命じました。

自転車による交通事故は子供からお年寄りまで、誰もが加害者となり得る上に、その損害賠償請求額は高額になりかねません。一方、「損害賠償請求されたけど支払いができない」といった状況は自分次第で防ぐことができます。その1つが「個人賠償責任危険補償特約」を付帯することです。

誰もが加害者になる可能性があるからこそ、「自分の不注意や事故により、相手に損害を与えた場合の弁償金や賠償額についての支払いを補償する」ことができる「個人賠償責任危険補償特約」を付帯するのはいかがでしょうか。

日常生活における事故でも補償される

事故や裁判まで発展してしまった例だけではなく、もう少し身近なケースにも「個人賠償責任危険補償特約」は適用されます。例えば、「キャッチボールをしていて、他人の家の窓ガラスを割ってしまった」場合や、「飼い犬が通行人をケガさせてしまった」という場合、「スーパーマーケットで卵の棚にぶつかってしまい全部割ってしまった」場合にも、保険金は支払われるのです。

「個人賠償責任危険補償特約」は知らないうちに加入している場合も少なくありません。すでに自動車保険や自転車保険に加入している方は、特約として付帯されている場合があります。いくつ加入しても重複して保険金が支払われることはないので、加入を検討する際には今一度、自分がすでに加入している保険の内容を確認してみましょう。

「個人賠償責任危険補償特約」は、日常生活における小さなトラブルから大きなトラブルまで、さまざまなリスクに備えることができます。そのため、火災保険にご加入の際にはぜひ特約として付帯してみてはいかがでしょうか?

「携行品損害補償特約」とは

家財を持ち出す予定がある人は携行品損害補償特約の付帯も検討しましょう

外出時に持ち出した家財(携行品)に偶然の事故による損害が生じた場合、「携行品損害補償特約」により保険金が支払われる場合があります。例えば「旅行先にビデオカメラを持って行った際、誤って落として壊してしまった」場合や、「空港の税関を通る際に誤ってデジタルカメラを落として壊してしまった」場合に対象となります。

それでは、「スマートフォンの画面が割れてしまった場合の修理費として、保険金は支払われるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。残念ながら答えはNOです。保険会社によって違いはあるものの、スマートフォンやノートパソコンの修理費用は補償の対象外となるケースが多いのです。この他に対象外となる例としては、クレジットカードやメガネなどがあります。補償の範囲は保険会社によって異なりますので、加入前にしっかり確認することをおすすめします。

他人から預かった物を壊してしまったときに使える「受託物賠償責任危険補償特約」

契約条件変更のタイミングで特約を付帯することもできます

最後に「受託物賠償責任危険補償特約」を紹介します。「受託物賠償責任危険補償特約」とは、他人から預かった受託品の破損、損壊、盗取などの事故により、損害賠償責任を負った場合に、保険金が支払われるというものです。例えば「友人から置き場がないからと預かっていたスピーカーを壊してしまった」場合などに補償されます。

また、「他人から預かった」という文言の「他人」の中にはレンタル業者も含まれています。そのため、「レンタルしたスキーセット一式を壊してしまった」場合も対象です。

車や自転車だけでなく、カバンや洋服のレンタルが盛んになっている今、レンタル業者を利用することが多い方にはぴったりの特約といえるでしょう。

まとめ

火災保険に付帯できる特約として、「個人賠償責任危険補償特約」「携行品損害補償特約」「受託物賠償責任危険補償特約」の3つについて解説してきました。火災保険は建物や家財を火災、自然災害から守ることができるだけではなく、補償内容によっては、日常生活の事故やトラブルによる損害を補償することもできます。火災保険以外の保険を契約している場合は、補償が重複することもありますので、どのような保険に入り、何が補償の対象となっているのかをよく確認してから、どの特約を付帯するか検討するようにしましょう。

執筆年月:2018年6月
於ありさ フリーライター

於ありさ(おきありさ)(フリーライター)

大手金融機関での勤務を経て、「働く」と「好き」を中心に、豊かな暮らしを送るためのヒントとなるような情報を発信しているフリーライター。二級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有しており、保険商品をわかりやすく解説することを得意としている。

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