火災の原因〜主な出火原因や事例などをご紹介〜

火災の原因〜主な出火原因や事例などをご紹介〜

テレビや新聞などで日ごろから耳にする火災のニュース。その原因として最も多いのは何かをご存じでしょうか。
今回は、総務省が調査した「平成28年(1月〜12月)における火災の状況」のデータを参考に、火災全体、建物火災、死者数から見た危険な出火原因を解説するとともに、それぞれの原因の具体的な事例と学ぶべき教訓について紹介します。

火災を防ぐためには、どうしたらよいか今一度考えてみましょう。

火災の原因第1位は「放火」

平成28年度の総出火件数はおよそ37,000件。その原因として最も多いのは「放火」です。その数は3,586件で、全体の約10%を占めます。また、「放火の疑い」も4番目に多く、2,228件となっています。「放火」「放火の疑い」を合わせると、その件数は5,814件で、全体の約16%を占めています。

火災の原因第1位は「放火」

建物火災では「こんろ」が原因第1位

総出火件数の内訳を見てみると、「建物火災」が最も多く20,991件、これは総出火件数の61%にあたります。建物火災の内訳をみると約半数が住宅火災であり、建物火災における出火原因件数としては「こんろ」が1番多いという結果でした。火の始末を怠ってはいけないということがわかりますね。

死者数から見た危険な出火原因は「たばこ」

死者数から見た危険な出火原因は「たばこ」

一方、平成28年の火災による総死者数は1,452人、そのうち住宅火災での死者数は885人に上ります。また、死者を出した住宅火災の中で、最も多い出火原因は「たばこ」で、その件数は全体の16.5%を占めています。このことから、日ごろ起こりうる住宅火災の出火原因として、最も危険な出火原因は「たばこ」と言えるでしょう。

火災の事例と学ぶべき教訓

火災の事例と学ぶべき教訓

ここまでデータを見てきて、最も多い火災の原因としては「放火」、建物火災の原因として一番多いのは「こんろ」、その中でも住宅火災で死につながる危険性が高い出火原因は「たばこ」ということがわかりました。

さて、これらの出火原因を知った上で、火災の発生を防ぐために私たちにできることはあるのでしょうか?「放火」、「たばこ」、加えて皆さんが日ごろ扱うことも多い「ストーブ」が原因で起こった火災の事例と教訓を考えてみましょう。

火災の原因第1位「放火」の事例と教訓

「ピロティに置かれた建築資材に放火され建物内へ延焼し死者が発生した火災」
作業場併用住宅の1階ピロティに置かれた建築資材から出火し、さらに、ピロティ内にある玄関から建物内へ延焼しました。(中略)火災を発見した近隣者は、同居している両親に火災を知らせ、母親が自宅の電話から119番通報しました。なお、通報後に火災が急激に拡大したため初期消火は行われませんでした。この火災で、2階にいた居住者(60歳代男性)が、避難する際、1階ピロティで火炎に煽られ全身にやけどを負い亡くなっています。
この事例を受けて東京消防庁は「誰でも入ることができる場所に燃えやすい物を放置すると、放火される危険性が高くなります。また、通路や階段に物を置くことで、避難の障害となります。放火を防ぐためには、建物の周囲を整理整頓し、放火されない環境づくりが必要です。」と教訓を発表しています。

「たばこ」が原因となった火災の事例と教訓

「たばこの火種が布団上に落下して出火した火災」
火元者(70歳代男性)がベッド上で喫煙した際、たばこの火種が綿製の敷布団上に落下したため、無炎燃焼を継続して出火したものです。火元者はベッド上で消防隊により救助されましたが、重症を負いました。
高齢者の死者が発生した火災の原因としても、たばこは上位となっています。東京消防庁は、「たばこを吸う高齢者は、長年の喫煙習慣による慣れのためか、喫煙管理意識が低下している場合があります。日ごろから繰り返し行っているような慣れた動作であっても、物が見えづらかったり、手元が狂ったりして思わぬ事故や火災につながるおそれがあり、さらに初期消火や避難行動にも時間を要し、受傷する可能性もあります。火気を扱う場合は高齢者自身が慎重に行動するよう意識するとともに、家族がそばで見守り、危険を感じたらやめさせるなどの配慮も大切です。」としています。

「ストーブ」が原因となった火災の事例と教訓

「使用中の石油ストーブを点火した状態で給油したため出火した火災」
使用中の石油ストーブに給油する際、消火しないままカートリッジタンクを取り出し、給油後元に戻そうとしたカートリッジタンクのキャップ部分を石油ストーブにぶつけ、その衝撃でキャップが開き、漏れた灯油が石油ストーブにかかり出火しました。火元者は布団を石油ストーブに被せて消火しようと試みましたが、消火することができませんでした。
いうまでもありませんが「石油ストーブに給油する時は、必ず火を消してから行うことが鉄則」です。東京消防庁は「さらに高齢者は力が弱く、体が不自由なこともあることから、同居している家族や周囲の人は、普段から高齢者の行動を把握し、防火に対する意識を高め、十分に注意を払う必要があります。(中略)火気の取り扱いが最小限で済む環境を整えるなどの配慮に加え、万一の火災に備え、火災の早期発見に有効な住宅用火災警報器や、消火器の設置が必要です。」としています。

まとめ

ここまで、火災の原因や実際に起こった出火事例について見てきました。火災は、放火など防ぐのが難しい原因によって起こることもあれば、たばこやこんろなど身の回りのものを原因として起こることもあります。火災を防ぐためには、どんなことが原因で火災が起こるのかをよく理解したうえで、火災の原因となりうることに対して、できる限り注意を払い、対策を打つのが大切です。

執筆年月:2018年6月

於ありさ(おきありさ)(フリーライター)

於ありさ(おきありさ)(フリーライター)

大手金融機関での勤務を経て、「働く」と「好き」を中心に、豊かな暮らしを送るためのヒントとなるような情報を発信しているフリーライター。二級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を保有しており、保険商品をわかりやすく解説することを得意としている。

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2018年7月 W-12-3449-005