【法人向けがん保険コラム】第1回 がん大国日本の現状 - SBI損保のがん保険

【法人向けがん保険コラム】第1回 がん大国日本の現状

株式会社M&F パートナーズの高橋です。
皆さんは、「がん治療と仕事の両立支援」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
年間のがん罹患者数が100万人に迫る日本においては、がん患者さんの約4人に1人が20代から60代でがんに罹患している(※1)というデータがあります。

実は今、通院により仕事を続けながらがん治療を行っているがん患者さんが急増しています。

  • ※1
    厚生労働省「平成29年 全国がん登録罹患数・率報告」

このコラムではこうした現状を踏まえ、「がん治療と仕事の両立支援」を行うために何が必要なのか、経営者の皆さま方に是非知っておいていただきたいポイントについて、9回にわたり具体的にお話をさせていただきます。

第1回と第2回ではがんを取り巻く現状についてのお話、第3回と第4回では両立支援が必要な理由と国のがん対策についてのお話、第5回ではがんの三大治療と罹患者数の多い大腸がん・前立腺がん・乳がんの治療の現状についてのお話、第6回では両立支援を行うことによる会社における具体的なメリットのお話、第7回と第8回では両立支援を行うための環境整備についてのお話、最終回ではがん治療を支えるために必要なお金のお話をさせていただきます。
各回ごとにお読みいただくこともできますが、是非最終回までお読みいただき、がん治療と仕事の両立についてお取り組みをいただければと思います。

今回は第1回目として、「がん大国日本の現状」についてお話をさせていただきます。

「皆さんのまわりにもがんに罹患されている方がいらっしゃいませんか?」日本では2人に1人が一生のうち、何らかのがんに罹患すると言われておりますが、最新データによると、現在では2人に1人以上の方ががんに罹患されているようです。(※2)
平均寿命まで生きていることが前提にはなりますが、男性が平均寿命である約81 歳まで生きていた場合、がんに罹患する確率は65.5%(※2)になるそうです。女性が平均寿命である約87歳まで生きていた場合、がんに罹患する確率は51.2%(※2)です。

  • ※2
    国立がん研究センター「最新がん統計(2019年データに基づく)」

日本の死亡原因の第一位はがんですが、がんが脳血管疾患を抜き死亡原因第一位になったのは1981年(昭和56年)です。
それ以降日本では、がんの罹患者数も死亡者数も増え続けています。もともとG7に所属をしており昔から先進国と言われていた国の中で、がんの罹患者数と死亡者数がともに増え続け、今後もさらに増え続けると言われている国は日本だけだともいわれています。

さてその多い多いと言われているがんですが、皆さんは日本で1年間にどれくらいの方が、がんの告知をお受けになっているのか、お聞きになったことがあるでしょうか?
2020年が最新データとなりますが、実に945,055人の方が日本国内においてがんの告知をお受けになっています。(※3)この人数を皆さんがお住いの市区町村の人口と比べてみてください。
いかに大きな数字なのか、実感いただけると思います。日本で最も罹患者数の多いがんは、大腸がんです。また男性が最も多く罹患しているがんは前立腺がんで、女性が最も多く罹患しているがんは乳がんです。
この3つのがんに関しては、第5回のコラムでお話をさせていただきます。

また日本では2022年の調査によると385,797人もの方が、がんを原因としてお亡くなりになっています。(※4)38万人というと地方の県庁所在地、またはそれに準ずる中核都市が消滅してしまうくらい大きなインパクトのある数字になります。
日本で最も死亡者数の多いがんは、肺がんです。また男性が最も多く死亡しているがんも肺がんで、女性が最も多く死亡しているがんは大腸がんです。

  • ※3
    厚生労働省「全国がん登録罹患データ」
  • ※4
    厚生労働省「人口動態統計がん死亡データ」

日本は「がん大国」であることを実感していただき、がんを他人事ではなく自分の事として捉えていただきたいと思います。
一方で昭和の時代とは違い、がんも早期発見することにより克服できる病気にもなってきています。
第2回のコラムでは、早期発見の重要性とそのためのがん検診の重要性についてお話をさせていただきます。

執筆者 高橋 義人(たかはし よしと)

株式会社M&Fパートナーズ代表取締役

がん治療支援者/がんファイナンスアドバイザー

一般社団法人 日本遺伝子治療医学研究会 
医療コーディネーター

https://mfpartners.co.jp/

1988年に明治大学を卒業後、外資系大手生命保険会社に23年間勤務。静岡・埼玉・大阪にて支社長を務め、2011年に独立。
その後、「がん治療とお金」のコンサルティング会社を設立し、現在に至る。医療コーディネーターとしてがん患者と向き合い、がんの治療相談・病院紹介・治療紹介・病院へのアテンド等の患者支援活動の傍ら、セミナー講師として「がんに備えるマネープラン」「最先端がん治療とがんファイナンス」「あなたの知らないがん治療最前線」「会社をがんから守る社長さんのためのがんファイナンス」「お客様をがんから守る10ヶ条」等の講演を日本社大手生命保険会社や外資大手生命保険会社、MDRT日本会、ライオンズクラブ、一般企業の人事部などからの依頼により、日本全国で年間150回以上行っている。

2024年6月 24-0140-13-003