クレジットカードに付いている海外旅行保険の補償内容と利用時の注意点とは？

クレジットカードに付いている海外旅行保険の補償内容は？

自分の持っているクレジットカードに海外旅行保険が付帯されていることを知らずに使っていることもあるでしょう。

ただし海外旅行保険が付帯されていても、利用付帯であった場合には、支払条件を満たしたうえで請求をしなければ保険金を受け取ることはできません。保有しているクレジットカードの海外旅行保険について、海外旅行を予約する前によく確認しておきましょう。
（利用付帯に関しては後述いたします。）

ゴールドカードやプラチナカードなど年会費がかかる上位グレードのクレジットカードの中には、一般カードよりも補償の限度額が大きく設定されているなど、補償内容が充実しているものもあります。ただし「疾病による死亡」などの補償が無いなど、保険会社の海外旅行保険と比べて補償の範囲が限られる点に注意が必要です。

クレジットカードに付帯されている海外旅行保険と、保険会社の海外旅行保険の違いについて詳しくは、以下に解説します。

クレジットカード付帯の海外旅行保険と保険会社の海外旅行保険の違いは？

クレジットカード付帯の海外旅行保険は一般的に、保険会社の海外旅行保険と比べて補償の範囲が限られます。

たとえば海外旅行中のケガによる死亡は補償されても、「疾病」によって死亡した場合の補償は対象外になっている場合があります。
また「治療費用」や「救援費用」について、「最大200万円まで」など保険会社の海外旅行保険よりも補償の上限が低く設定されていることもあります。

一方で保険会社の海外旅行保険では、クレジットカードに付帯されている海外旅行保険には無い付帯サービスが利用できることがあります。保険会社の海外旅行保険のメリットや、クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する場合の注意点について詳しくは、以下に解説します。

クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する場合の注意点とは？

利用付帯の場合が多い

クレジットカード付帯の海外旅行保険には「利用付帯」のタイプがあることに注意が必要です。

「利用付帯」とは、海外旅行の費用をそのクレジットカードで支払った場合にのみ補償が適用されることです。利用付帯の場合、航空券の購入や家から空港までの公共交通機関の利用料金など（※）を、そのクレジットカードで支払った場合にのみ海外旅行保険が適用されます。つまり別のクレジットカードや現金で決済した場合は補償の対象外です。

• ※

  利用付帯の条件は各カード会社にご確認ください。

特に一般カードなど年会費無料のクレジットカードは利用付帯の場合が多いため注意しましょう。プレミアムカードなど年会費のかかるクレジットカードのなかには、決済への使用とは関係なく海外旅行保険の対象になる「自動付帯」のタイプもあります。

海外旅行の費用を支払う前に必ず、クレジットカードに付帯されている海外旅行保険の適用条件を確認しておきましょう。

補償の対象がクレジットカード名義人のみの場合が多い

クレジットカード付帯の海外旅行保険は基本的に、補償の対象はクレジットカードの「名義人本人のみ」という点にも注意しましょう。

名義人本人のみが対象の場合、本人ではなく家族がケガをした場合などは補償を受けられません。

一部のクレジットカードについては家族も海外旅行保険の対象になる場合がありますが、そのために満たすべき条件を確認しておきましょう。クレジットカード付帯の海外旅行保険で家族分の補償を受ける方法には、主に以下の2つがあります。

・家族カード（ファミリーカード）を作成する
・家族特約のあるクレジットカードに加入する

「家族カード」とは、同じ名義で発行できる家族分のクレジットカードです。利用付帯のクレジットカードの場合、家族分の海外旅行費用を名義人本人のクレジットカードもしくは家族カードで決済した場合に、家族も海外旅行保険の補償対象になるのが一般的です。

ただし家族カードは18歳未満の家族には発行できないため、子どもを補償に含めることはできません。

この点「家族特約」のあるクレジットカードなら、18歳未満の子どもも補償の対象に含まれるのが一般的です。ただし家族の補償は、名義人本人の補償よりも保険金の支払上限が低く設定されていることがあります。また年会費無料のクレジットカードでは家族特約が無いことが多いため、注意が必要です。

クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する際には、「旅行に参加する家族全員が対象か」「補償内容は十分か」を必ず確認しましょう。

補償内容が限定的な場合が多い

クレジットカード付帯の海外旅行保険は、一部の補償内容が限定的になっていることが多い点にも注意が必要です。補償内容をよく確認していないと、想定していた補償が受けられず、多額の自己負担が発生してしまうかもしれません。たとえばクレジットカードに付帯されている海外旅行保険では「疾病死亡」「携行品損害」については補償されないことも珍しくありません。また「治療費用」「救援費用」「賠償責任」についても補償金額の上限が低く設定されている傾向にあるため注意が必要です。

またクレジットカード付帯の海外旅行保険には、治療費の「立て替え不要（キャッシュレス）」で提携病院を受診できるサービスが付帯されていないことがあります。キャッシュレスメディカルサービスが利用できない場合、治療費用の補償を受けられる場合でも、現地で一時的に治療費を負担しなければなりません。キャッシュレス対応の保険会社の海外旅行保険なら、現地の提携先病院で治療費を負担せずに治療を受けられます。

このようにクレジットカード付帯の海外旅行保険は、保険会社と比べて補償・サービスの内容が限定的であることに注意しましょう。

保険会社の海外旅行保険で備えておきたい補償とは？

・治療費用
・救援者費用
・疾病による死亡
・携行品損害
・オプションの補償
・家族の補償

それぞれ以下で詳しく見ていきましょう。

治療費用

海外旅行中のケガや疾病に対する「治療費用」は、保険会社の海外旅行保険で備えておきたい補償の一つです。治療費用はクレジットカード付帯の海外旅行保険でも補償される場合が多いですが、補償の限度額が低い場合があるためです。

治療費用の補償限度額が低いと、特にアメリカなど医療費が高い国では、限度額を超えた治療費がかかってしまう可能性があります。また為替変動によって円換算での治療費が高額になってしまうリスクもあるでしょう。

このように旅行先の医療費相場によってはクレジットカード付帯の海外旅行保険では補償が不足するリスクがあるため、保険会社の海外旅行保険で備えることをおすすめします。

救援者費用

救援者費用も、クレジットカード付帯の海外旅行保険では補償の限度額が低く設定されていることがあります。
救援者費用とは、海外旅行中のケガや疾病で被保険者が治療・入院をした場合に、その援助・サポートなどのために家族が現地に赴いた場合の交通費・宿泊費などを補償するものです。

交通費・宿泊費についても治療費用と同様、国の物価や為替相場によってはかなり高額になる場合があるため、クレジットカード付帯の海外旅行保険では補償が不足する可能性があります。保険会社の海外旅行保険を活用して備えておきましょう。

疾病による死亡

クレジットカード付帯の海外旅行保険では、海外旅行中の「傷害」による死亡は補償されても、「疾病」による死亡は対象外のことが一般的です。
疾病による死亡が対象外の場合、たとえば海外旅行中に感染症にかかって死亡した場合は補償されません。

海外旅行での死亡リスクに備えることは重要です。なぜなら海外で死亡した場合、日本国内で死亡した時よりも多くの費用がかかることがあるためです。たとえば海外から遺体を運ぶために100万円から150万円など多額の費用がかかる場合があります。

一般的な死亡保険でも、疾病が原因のケースを含めて海外での死亡についても補償される場合が多いですが、加えて保険会社の海外旅行保険でも備えておいたほうがよいでしょう。

携行品損害

携行品損害も、クレジットカード付帯の海外旅行保険では補償されないことがあります。
その場合、たとえば友人から借りていたカメラを壊してしまった、ひったくり被害に遭って腕時計を盗まれたなどの場合に補償を受けられません。

高価な物品を持参して海外旅行に出かける際には、保険会社の海外旅行保険などを利用して携行品損害にも備えておきましょう。

オプションの補償

保険会社の海外旅行保険では、オプションの補償も充実しています。
たとえば、搭乗を予定した航空機が出発遅延、欠航した場合などに、宿泊費用や食事代、交通費などの追加出費の補償を受けられる「航空機遅延」や、ご本人やご家族がケガや疾病で入院をした場合や、死亡した場合に、海外旅行のキャンセルにより発生した取消料などの費用の補償を受けられる「旅行キャンセル費用」、搭乗を予定していた航空機が遅延したことにより、ご自身のペットを預けていた施設において預入延長費用が発生した場合に補償を受けられる「ペット預入延長」などがオプションの補償として用意されています。

クレジットカード付帯の海外旅行保険とは異なり、旅行やライフスタイルにあわせてカスタマイズしやすいのが保険会社の海外旅行保険の特長です。オプションの補償でリスクに備えることも検討しましょう。

家族の補償

クレジットカードの名義人以外の「家族の補償」を備えるためにも、保険会社の海外旅行保険が役立ちます。

前述のとおりクレジットカード付帯の海外旅行保険は多くの場合、家族カードを作っていないと「名義人のみ」が補償の対象です。つまり海外旅行先でクレジットカードの名義人本人ではなく家族がケガなどをした場合に、補償されないことがあります。

家族特約があるカードなら家族カードがなくても家族の補償が付きますが、名義人本人の補償よりも限度額が低く設定されていることがあります。

家族と一緒に海外旅行に出かける際には、保険会社の海外旅行保険を活用することで、家族に対しても手厚い補償を設定することが可能です。

保険会社の海外旅行保険に別途加入すべきなのか？

保有しているクレジットカードに海外旅行保険が付帯されていても、追加で保険会社の海外旅行保険に加入することには意味があるといえます。

なぜなら前述のとおり、クレジットカード付帯の海外旅行保険だけでは補償が不足する可能性があるためです。「クレジットカード付帯の海外旅行保険と補償が重複してしまうのではないか？」と思うかもしれませんが、保険会社の海外旅行保険のなかには、必要な分を補う形で加入できるものがあります。

必要な補償だけカスタマイズして加入できる保険会社の海外旅行保険なら、クレジットカード付帯の海外旅行保険に不足する部分を補うようにして、保険料を節約して加入することが可能です。

まとめ

クレジットカードに無料で付いている海外旅行保険は「利用付帯」の場合が多いため、クレジットカードを持っているだけでは、まったく補償を受けられないケースがよくあります。保険会社で加入する海外旅行保険と比べて、補償内容や金額が限定的で十分な補償が期待できないものも少なくありません。

クレジットカード付帯の海外旅行保険だけでは足りない部分の補償は、必要な補償だけカスタマイズして加入できる保険会社の海外旅行保険で備えることをおすすめします。

SBI損保の海外旅行保険は、「治療・救援費用」をベースに基本補償とオプション補償、合わせて14の補償項目から選んでカスタマイズ(※)でき、不足している補償内容を補うようにしてご契約することが可能です。出発日当日にインターネットなどからお申込みでき、お急ぎの方もご利用いただけます。

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  傷害死亡の補償なしで疾病死亡のみのご加入など、一部補償項目の組み合わせに制限がございます。

執筆年月日：2024年7月26日

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