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第26回 こどもミュージアムプロジェクト

9.25(土)O.A.(第26回)
こどもミュージアムプロジェクト

大阪 高槻市に株式会社 宮田運輸という運送会社があります。
この会社、7年前からユニークな取り組みを始めました。

きっかけは自社のトラックによる死亡事故。亡くなった男性には小学4年生の娘がいたそうです。
4代目社長は大きなショックを受けて、2度と死亡事故を起こさないためにはどうしたらいいか考えました。
そんな時に知ったのが、1人ドライバーが、ダッシュボードに子供の絵を飾っていること。絵にはメッセージも添えられていました。「お父さん いつもありがとう あんぜんうんてん がんばってね」そこから思いついたのがドライバーの子どもの絵を車両にラッピングするアイデアです。「子どもミュージアムトラック」と名付けました。

6年が経った去年の段階で約90台のトラックに子どもの絵をラッピング。交通事故の数は4割減になったそうです。
そして、2年前に一般社団法人 こどもミュージアムプロジェクト協会を発足。この施策を全国へ、世界へと広げ、1つでも事故が減ることを目指しています。今では全国240の会社がプロジェクトに参画。トラック、営業車、介護施設送迎車、バス、タクシーなど子どもの絵がラッピングされた“ミュージアム号”は800台を超えています。

子どもたちが描いた絵をラッピングしたクルマに乗っていれば、優しい気持ちでハンドルを握るようになり、安全運転への意識が高まります。そのクルマを見た人も優しい気持ちになる。実際、宮田運輸では子どもミュージアムトラックに対する煽り運転の数は激減しているといいます。見かけると手を振ってくれる人もいるそうです。

クルマを運転するお父さん、お母さんも車内に子どもが描いた絵を飾っておくと、いっそう安全に気をつけたり、渋滞でイライラした時でも、優しい気持ちを取り戻せるかもしれませんね。

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